装備品を入れてみた ~ 現用ベトナム軍 ダッコン迷彩スカウトベスト・中身入り (実物)

前回ブログにて紹介した「ダッコン迷彩スカウトベスト」に、携行品を収納してみました。

この装備、映像資料ではほとんど空の状態で着用されており、各収納ポーチの使い方については、調べてみても教範や取扱説明書も見つけられなかった為、多分に推測を含んだ再現である点、あらかじめご了承ください。

 

 

左胸の小型ポケットは、無線機ポーチと推測し、普段のサバイバルゲームで使用しているレシーバーを入れてみました。

 

 

蓋の端にあるボタンホール状のスリットを、アンテナを通すループと考えての判断です。

 

 

右胸の小型ポケットは、大きさから手榴弾ポーチと推測しました。

 

 

アメリカ軍のM26ダミー手榴弾を収納してみましたが、ぐっと押し込む感じで収納しているので、実際には手榴弾ポーチではないようでもあります。

現在ベトナム人民軍で確認される手榴弾は、旧ソ連製「RGD-5手榴弾」のコピー生産品、アメリカ軍「M67手榴弾」に似た形のベトナム製手榴弾があります。

 

 

腰に4個あるマガジンポーチには、AK-47用マガジンを収納してあります。

 

 

ポーチにはマガジン1本がピッタリ収納できました。

 

 

マガジンポーチに隣り合うように、小型ポーチが設けてあります。

 

 

蓋の中央にボタンホール状のスリットがある事から、ソ連製手榴弾のデトネーター(信管)の先端を露出させて収納できるかな、と思いましたが、どうも手榴弾を入れるには容量が足りないようです。

 

 

用途が推測できなかったため、予備弾薬の梱包を収納してみました。

中国製実包の梱包をもとに寸法を割り出して自作したアンコですが、うまい具合にサイズが合いました。

 

 

右脇下に、ピストルマガジンポーチが2個配置されています。

 

 

画像ではコルトM1911A1の予備マガジンを収納しています。

このことから、シングルカラム式の弾倉に対応していると思われます。

 

 

左脇下に配置されているショルダーホルスターに「K54(中国製54式拳銃のベトナム軍名称)」を収納してみました。

 

 

使用したのは、「K54」と形状が同じKSC製ブローバックガスガン「トカレフTT-33」です。

 

 

このホルスターはストラップ留めボタンが2箇所あり、「K54」より小型の拳銃である「K59」の収納にも対応していると推測されます。

「K59」は「59式拳銃(マカロフPMの中国製コピー品)」のベトナム軍名称で、主に将校向けに配備されています。

 

 

スカウトベスト背面の装備品収納状況です。

 

 

携帯ショベルの携行状況です。

 

 

携帯ショベルの木柄は、ゴム内蔵ロールに通して保持されます。

 

 

ショベル・ブレードの根っこの部分を紐で結んで、脱落防止になります。

 

 

ショベル・ブレードの入るポーチの下部は縫い合わせておらず、先端が露出しています。

 

 

ショベル・ポーチの隣に並んだX型ストラップ・ポーチには、ガスマスクを収納します。

このポーチは、面体とキャニスターをゴムホースで連結するタイプの「ShM-41M」をはじめとするソ連製ガスマスクに対応したデザインです。

 

 

ソ連製ガスマスクはベトナム人民軍で昔から運用されており、近年でも訓練映像で見かける事があります。

ガスマスク自体をコピー製造しているのか、輸入品を整備しながら運用しているのかは、知識不足で分かりません。(画像はウェブ検索で見つけた「ShMS」ガスマスクの実用例)

 

 

ガスマスクのゴムホースは逆Uの字型に取り回し、たるまないように上部を板紐で縛って固定します。

 

 

板紐はスカウトベストと共生地で薄い素材ですが、重量負荷の掛かる部分ではない為、実用上問題ないと判断されたようです。

 

 

向かって左側のポーチに面体を収納しています。

ストラップはベルクロ留めで、状況下で素早く取り出す事ができます。

 

 

面体収納ポーチ下部には、水抜き用の鳩目穴が設けてあります。

 

 

向かって右側のポーチには、キャニスター(吸収缶)を収納します。

長方形の箱型ポーチで、楕円形の吸収缶に対応した作りで、ピッタリ丁度良く収まります。

同じソ連製でも、円筒形のキャニスターの収納は、サイズ的に厳しいかもしれません。

 

 

キャニスター収納ポーチの下部には、吸排気の為の穴が開けてあり、ナイロンメッシュ素材で縫製されています。

見た目から機能がわかる、このような軍装品の作りが私は大好きです。

 

 

ガスマスクも現在はベトナムで製造された「MV5」モデルの普及が進められており、個人装備の近代化を身近に感じるところです。(画像はウェブ検索で見つけた実用例)

 

 

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