北ベトナム軍 キャンバスシューズ・援越型 (中国製・実物)

ベトナム戦争では、ベトナム人民軍(北ベトナム軍)の戦闘靴は中国製の軍事援助品と、それを模倣生産したベトナム製の二種類が使われていましたが、この靴は中国製の実物です。

 

 

ベトナム戦争中に中国から送られた戦闘靴は「防刺解放靴」の名称で知られています。

 

 

外観は中国人民解放軍の官給品である「解放靴」によく似ていますが、“防刺”の名が示すように、靴底が軍用ブーツらしく分厚くトレッドが深いのが特徴です。

 

 

中国からの援助物資は通称「援越装備」と呼ばれ、人民解放軍装備とは別に独自デザインの物が製造され、数多く北ベトナムへと送られました。

 

 

この「援越靴」もそうですが、他にも「リュックサック型背嚢」や「カバー付き水筒」、「防水布製救急品入れ」などのベトナム向け専用デザインの中国製装備品が見られます。

 

 

「援越靴」は、基本的なデザインは「解放靴」と変わらず、つま先の形状も共通しています。

 

 

ゴム製ソール側面のモールドも同じです。

色が黒いのは製造時期によるものと思われ、ベトナム戦争の時期の「解放靴」も黒色のゴム製でした。

 

 

外見上の特徴のひとつが、側面に斜めに縫い付けられた補強布です。

ここに注意して見れば、「解放靴」との区別は容易です。

 

 

靴底は「解放靴」と明確に異なり、トレッドパターンが深く分厚く作られています。

ベトナムのジャングルから足を守る為によく研究された結果でしょうか、実際に使ってみても実用性の高さが実感できます。

 

 

靴底には輸出用を示すと思われる、「軍輸」の刻印があります。

 

 

一般的な「解放靴」と比べてみました。

 

 

使われている素材や基本的なデザインはどちらも変わりはありません。

 

 

つま先の形状も共通しています。

外見上の違いとしては、ゴム部分の色が目立つところでしょうか。

 

 

「解放靴」も、1960年代製はゴムの成形色は黒色なので、ソールの色の違いは単純に製造時期による物と思われます。(画像の「解放靴」は1980年代以降の製造品です)

 

 

外見上の違いで目立つ部分のひとつが側面形状です。

「援越靴」では、斜めに補強布が縫い付けられています。

鳩目穴の数や素材は、双方ともアルミ製の物が6個使われており、共通しています。

 

 

ソールの側面モールドも同じなので、かなりの部分で製造ラインは共用されていた物と思われます。

 

 

かかとの構造も共通しており、どちらも円形の縫い目が見られます。

 

 

「解放靴」と「援越靴」で大きな違いが見られるのが靴底のトレッドパターンです。

 

 

「解放靴」は日本の地下足袋のような浅い滑り止めモールドですが、「援越靴」では革ブーツのような深くしっかりした靴底が使われています。

 

 

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