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中国人民解放軍の空降兵(空挺隊)向けに開発された「91式傘兵ヘルメット」です。
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「91式」は、既に使用されていた「65式」の後継として開発された物で、帽体の形状が大きく変更されていますが、内装や装具の機能等、基本的な構造は「65式」を踏襲しており、マイナーチェンジ版と呼べる物です。
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今回紹介する物は、軍用実物の払い下げ品で、実際に使用痕のある中古品です。
「91式」の帽体の素材は「65式」同様、グラスファイバー製で、塗膜の剥がれた部分から繊維質の構造が見て取れます。
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「91式」には、専用の87式迷彩柄のヘルメット・カバーが用意されています。
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構造は6枚の布を縫い合わせたオーソドックスな作りです。
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ヘルメットへの装着は、内蔵の紐で縛って留めるタイプです。
カバーはヘルメットのサイズぴったりに作られており、綺麗に装着するには少々難儀します。
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カバーの正面には、刺繍製の帽章が縫い付けられています。
帽章のデザインは1990年代の人民解放軍らしい、垢抜けない物でコレクター的にはダサかっこよさが魅力です。
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内装はクッション性を重視した構造になっており、汗止め部分はスポンジ製です。
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手入れを考慮してか、汗止めバンドはベルクロ留めで、簡単に取り外せます。
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画像のように、完全に取り外すことが可能です。
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汗止めはスポンジの肌に当たる面を薄手の人造皮革で包んだ上で、ナイロン製の板紐を通して形状を整えてあります。
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裏側には帽体に取り付ける際のベルクロが各所に設けられています。
中古品のため、スポンジにはだいぶ使用感が見られます。
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汗止めを外した帽体です。
スチールヘルメットの「GK-80」に比べ、ハンモック部分等、作り自体はかなりシンプルなのが判ります。
軽量なので強度が必要ない部分は大胆に簡略化する、製造面での工夫が垣間見えます。
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顎紐は薄手のナイロン製で、かなり華奢な印象を受けます。
軽量ヘルメットならではの割り切った作りです。
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サイズ調節は、両端にあるタブを引っ張って行います。
ボタンやバックル等によるワンタッチタイプと違い、ヘルメットを被るたびに伸縮・調整が必要なのは少し手間を感じます。
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ヘルメットの着装状態です。
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帽体の形状が「65式」と比べ大きく異なり、より洗練された印象を受けます。
「91式」は各国軍の物と比べてもコンパクトに感じられ、軽量さもありサバイバルゲームでは使い勝手が良く、軍装派ゲーマーには便利なアイテムと感じました。
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「91式」には取り外し式の耳当てが付属しています。
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耳当てはドットボタンで容易に着脱でき、降下時の頭部保護に用いた後、降下後は素早く取り外して地上戦闘に移行する、という設計意図が見て取れます。
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「91式」の耳当ての顎紐は、「65式」と違いベルクロ式となっており、より使いやすく改良されています。
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耳当てには音を通すための穴が開けてありますが、「65式」では単なる穴であったところ、「91式」ではナイロン製カバーで覆われており、降下時の強風が直接耳に入り込まないよう工夫されているのがわかります。
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耳当てを装着したヘルメットの状態です。
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更に、ヘルメット・カバーを装着した状態です。
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こうして見ると、空挺部隊らしい精悍な印象を受けます。
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耳当てを外した、地上戦闘状態です。
「91式」の配備後、人民解放軍のヘルメットが米軍フリッツヘルメット型の「QGF-02」に更新されるに当たり、傘兵ヘルメットもフリッツ型の「K-1」と呼ばれるタイプが採用されています。
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外見は「QGF-02」に酷似しつつも、内装の変更や、顎紐の形状が異なる(カップ型顎パッドが付いている)等、空挺部隊向けに改修れています。
また、軽量化を重視した結果、耐弾・抗弾能力は限定的で、中国のネット情報に基づくと「低速の弾片および拳銃弾に対して有効」な性能との事です。
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いっぽう、「K-1」採用後も多数の「91式」が使用され続けており、更には在庫のある「65式」までもが少なからず使われているようで、現在でも様々なヘルメットが混在している状況です。
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人民解放軍の兵力規模は膨大なので、新型装備の更新状況は地域ごとに差があるのでしょう。