今回紹介するアイテムは、ソ連邦時代に製造されていた民間メーカー「モスクワ」製のスニーカーです。
「アフガニスタン紛争(1978年~1989年)」では、ソ連軍兵士が私的に購入したスニーカーの使用例が多くみられます。(熱地向け編上靴が充分に支給されなかった為)
外見は完全に「アディダス」ブランドを模倣した物であり、ロシア当地においても「ソヴィエツキー・アディダス」と呼ばれているとか。
意外というかなんというか、モスクワ・スニーカーは現在でも生産されております。
ただし、現行品ではロゴを独自の物に改変してあります。(逆に言うと、ソ連邦時代はロゴも含めて瓜二つのシロモノだったわけで、明らかな違法コピーだったわけです…)
構造はアディダスのデザインをそのままデッドコピーしています。
未使用品ですが、長期保存によりウレタンのソール部分が若干硬化・黄変しています。
側面に金色で「ULM」の文字がプリントしてあります。
アディダス特有の3本のストライプも見事に再現されています。
かかと内側にシリアルナンバーがプリントされています。
つま先の形状です。
青い部分は起毛気味の布地が使われています。
どこからどうみてもアディダス味のあるデザインですが、あくまで「偶然似たデザインになった」という事、らしい…。
かかと部分の形状です。
モスクワ・ブランドのロゴがプリントされています。
かかとのバリや接着面の処理など、とかく大雑把なところにソビエト味を感じます。
ちなみにこちらが「アディダス」のロゴ。
よく似ているでしょう?(笑)
靴底のトレッドパターンです。
モールドは浅く、エッジも立っておらず全体に「ダルい」印象ですが、ジョギング用としては妥当な作りでしょう。
靴底にも、モスクワの文字と靴のサイズが表記されています。
靴の裏面等、細部を見ていくと、安価な素材感が見て取れます。
社会主義ソビエト時代の品質の一端が垣間見えます。
付属の靴紐を通していきます。
靴紐は化繊製で、質感は柔らかく、全体にぺなっとしています。
質感は安価さが目立ちますが、靴紐を編上げてみれば、しっかりスニーカーらしく見えます。
モスクワ・スニーカーの全景です。
とにかく、アディダスに似ています。
民生品ながらアフガニスタン軍装には是非入手したいコレクションでしたので、購入できたのは幸いでした。
本来ならば、軍用品以上に履きつぶされる安価な消耗品ですが、今となっては貴重なコレクションなので、大事に保管しておこうと思います。