中国人民解放軍の「99式傘兵携行具」です。
この装備は空軍の空降兵(空挺部隊)向けに開発された物です。
画像は購入時の状態で、装具類が全て手提げかばんの中に収納されていました。
このかばんは他の装具と連結し、背嚢として使用します。
「99式傘兵携行具」を組み上げた状態です。
各種装具はベルトループで弾帯に通して取り付けてあります。
左端から「2連マガジンポーチ」、「2連手榴弾ポーチ」、「ガスマスクバッグ」になります。
中央には「水筒ポーチ」があり、隣は「携帯ショベルケース」、「銃剣差し」です。
そして「2連手榴弾ポーチ」、「2連マガジンポーチ」が取り付けられています。
マガジンポーチの上部にあるナイロン製の板紐は、散々調べたのですが、使い方がわかりませんでした。
装具を取り付けた弾帯は、Y型サスペンダーで吊って携行します。
画像は背面側の連結ストラップの様子です。
正面側の連結ストラップの様子です。
マガジンポーチの上部ナイロン紐は、サスペンダーの金具に括り付けました。
正解かどうか怪しいですが、こうしないとマガジンポーチ自体が固定されず、着装した際に「お辞儀」してしまうので苦肉の策でこのように解釈してみました。
弾帯の連結バックルは非常に頑丈な作りをしています。
上下のボタン操作で、連結・解除は自在に行えます。
「上部背嚢」です。
背嚢は2個あり、手提げかばんのほうが「下部背嚢」で、両者を連結したのち、別パーツの背嚢ストラップを介してサスペンダーに取り付けて携行します。
「下部背嚢」です。
画像のように、手提げかばん型に作られています。
両側面にはドットボタン式のカーゴポケットが設けられています。
こちらはボタン2個で蓋を固定出来ます。
反対側は、ドットボタンに加え、樹脂製のトグルボタンも使って蓋をしっかり留めるよう作られています。
各背嚢内部には、画像のゴム袋とナイロン袋が付属しています。
それぞれ、所定の位置にドットボタンで固定・内蔵出来ます。
開封したばかりのゴム袋は、保存用のタルク粉がたっぷりまぶしてあったようで、たちまち粉まみれになってしまいました。
各部には背嚢内部と同じ位置にドットボタンが取り付けてあります。
縁には紐が取り付けられています。
ゴム袋の口を結んで纏める為の物かな?と推測しております。
このゴム袋、背嚢の内容物の防水用の機能と思われますが、他に類例を見ない独特な構造です。
ナイロン袋も、背嚢2個分付属しています。
ナイロン袋は正確には3つのポーチ状の作りになっています。
専用の収納物があるような雰囲気ですが、情報不足で詳細は不明です。
背面にはドットボタンが6箇所あります。
「上部背嚢」の内部構造です。
内側に、ナイロン紐が4箇所縫い付けてあります。
ゴム袋をドットボタンで内部に取り付けている様子です。
ゴム袋を取り付けた状態です。
ゴム袋の上半分程が背嚢より露出した状態になります。
ゴム袋の内側にもドットボタンがあり、更にナイロン袋を取り付けます。
荷物を詰めたら、ゴム袋のはみ出た部分をくるくると巻き込んで詰め込み、背嚢内側のナイロン紐でぎゅっと縛って防水梱包が完成します。
「上部背嚢」の蓋は、トグルボタンで閉じます。
「上部背嚢」側面にもトグルボタンがあり、膨らんだ背嚢を閉めこむように留める事が出来ます。
「下部背嚢」も、同様にゴム袋、ナイロン袋を取り付けます。
ナイロン紐で縛った状態です。
「下部背嚢」には、更に縦に固定する為のストラップがあるので、ボタン留めします。
最後に、両側面のトグルボタンを留めていきます。
手提げかばん状態に完成しました。
背嚢はそれぞれ上部・下部にあるトグルボタンで連結出来ます。
画像のように、トグルボタンで周囲をくまなく連結出来る為、不意に脱落するような事はありません。
連結背嚢・正面です。
連結背嚢・左側面です。
連結背嚢・背面です。
連結背嚢・右側面です。
連結した背嚢を、サスペンダーに取り付ける為のストラップです。
ストラップは丈夫な厚手のナイロン製です。
各部にストラップや連結用金具が取り付けられています。
ストラップのトグルボタン連結用引っ掛け部分です。
先端部分は薄手のナイロン板紐が使われています。
金属金具部分を、サスペンダーの金具に通して背嚢を背中に背負います。
連結背嚢に、背負いストラップを取り付けた状態です。
連結背嚢の上部です。
連結背嚢の下部です。
連結背嚢の背面にある紐通し部分に、背負いストラップを縦に通して、上下とも端部をトグルボタンで固定しています。
背負いストラップの取り付け要領です。
まず紐通しにストラップをくぐらせます。
任意の位置まで通したら、ループにトグルボタンを引っ掛けます。
トグルボタンを留めた状態です。
これで背負い紐が背嚢に連結されました。
上端も同様にトグルボタンで固定します。
サスペンダー前面の金具に、画像の金具を通し、板紐を差し込んで固定すると、背嚢を背負う事が出来ます。
構成品の「弾帯」です。
分厚いナイロン織りベルトの表面に、迷彩柄の布が縫い付けられています。
バックル部分は、落下傘金具のように大げさな物が使われています。
ベルトのサイズ調節は、ベルト中央に開けられている鳩目穴に、ベルト末端のフックを引っ掛ける事で行います。
全体に、空挺降下を考慮した、丈夫な作りになっています。
バックルは頑丈な金属製で、がっちり連結されます。
外すときは上下のボタンを押すと容易に取り外せます。
構成品の「サスペンダー」です。
サスペンダーはY型で、必要充分な機能を備えています。
肩に当たる部分は幅が広く、パッドが内蔵されており身体への負担軽減に配慮した作りです。
サスペンダー正面側のストラップです。
Dリングを介して取り付けてあるベルトループで弾帯と連結します。
サスペンダー背面側のストラップも、同様の構造です。
「弾帯」と「サスペンダー」を連結した状態です。
ベルト&サスペンダーの装備形式は、人民解放軍では珍しい組み合わせです。
構成品の「マガジンポーチ」です。
AK-47タイプのマガジンに対応しています。
底部には水抜き用鳩目穴が設けてあります。
マガジンポーチの蓋はドットボタン式です。
このアイテムは、付属のポーチ類がドットボタン式になっていますが、ここが樹脂製のトグルボタン式の物のほうが官給品でよく見られます。
仕様の違いか、民生品だからなのか、残念ながら詳細は判りません。
収納内部の状態です。
マガジンポーチの下部にベルトループが設けてあります。
マガジンポーチの上部にはナイロン製の板紐があります。
角の部分には、D型のリングが2箇所設けてあります。
構成品の「手榴弾ポーチ」です。
ポーチには卵型手榴弾が2個収納出来ます。
背面にはベルトループが設けてあります。
ポーチ上面の形状です。
ポーチ下面の形状です。
底部には水抜き用鳩目穴が設けてあります。
ポーチの蓋はドットボタンで開閉できます。
蓋の内側は、防水質のコーティングがされています。
ポーチには手榴弾をせり出す為の引き出しタブが付いています。
ポーチの容積は少なめで、小型の手榴弾を前提に設計されているようです。
手榴弾収納時の外見です。
収納しているのは「82-2式プラスチック手榴弾」のゴム製模擬弾です。
引き出しタブを使うと、画像のように手榴弾を取り出せます。
構成品の「ガスマスクバッグ」です。
幅はガスマスクを縦に収納するのに丁度良いサイズです。
背面にはベルトループが設けられています。
底部には水抜き用鳩目穴が1箇所あります。
蓋は2箇所のドットボタンで閉じられています。
収納部は、「65式防毒面」が丁度入る寸法に作られています。
構成品の「水筒カバー」です。
空挺部隊用に作られた「65式傘兵水壷」および形状が同じ「78式飯盒水壷」を収納するように作られています。
背面にはベルトループが設けられています。
上面はドットボタン式の2つのタブで閉じられます。
底部には、水抜き用鳩目穴があります。
水筒の入った状態です。
組み合わせたのは「78式飯盒水壷」です。
水筒カバーが大きく開けるので、取り出し・収納が容易です。
水筒の蓋タブは水筒の口栓に合わせた湾曲した裁断が特徴です。
こちらは「87式水壷」とのサイズ比較です。
入るかどうか試してみました。
水筒カバーは容量が大きいのですんなり入ります。
綺麗に収納出来ました。
全体の形状です。
構成品の「携帯ショベルケース」です。
人民解放軍装備では珍しい、折り畳みショベル用のデザインで作られています。
背面にはベルトループが設けられています。
携帯ショベルは人民解放軍の実物が入手出来なかったので、米軍タイプの民生品を流用してみました。
形状が似通っている為、問題なく収納可能です。
内部構造は画像のようになっています。
底部に水抜き用鳩目穴があるのは他の装具と同様です。
構成品の「銃剣差し」です。
剣差しには、上部に2箇所のストラップと、下部に銃剣を通すループがあります。
背面にはベルトループが設けてあります。
上部ストラップを留めた状態です。
銃剣通しループは狭いです。
「81式自動歩槍」用の銃剣「81式刺刀」を取り付けてみました。
専用設計のように、綺麗に取り付け出来ました。
「95式自動歩槍」用の銃剣「95式刺刀」を取り付けてみました。
ループには鞘が通らない為、何とか工夫してやりくりしました。
上部ストラップを利用して、何とか取り付け出来ました。
ドットボタンのテンションのみで固定しているので、脱落の不安はあります。