中国人民解放軍の巻脚絆(ゲートル)です。
ゲートルは以前にも官給品を紹介しましたが、こちらは生地が薄手の杉綾織で作られています。
純綿性のゲートルは土黄色(カーキ)や軍緑色(OD)の物など流通していますが、布地から異なる珍しい個体なので迷わず入手しました。
裁断や縫製は一般的なゲートルと同じです。
絨製の日本軍や英軍の物と比べると、布地が薄く締め紐も細いので全体に華奢な印象を受けます。
巻き始め側の端面は折り返して縫い込んであります。
時代が新しい物だと端面が縫われておらず、接着剤で固めて処理されていたりするので、丁寧な作りに好感が持てます。
巻きあげたゲートルを留める締め紐も、細くて柔らかい素材です。
紐自体はともかく、縫い付けてある部分から千切れそうな不安はあります。
生地の織りは、よく見られるゲートルとは明らかに異なります。
純綿性よりも柔軟性のある手触りです。
商品到着時は最初の画像のように丸めた状態だったので、使用する為に巻きなおしました。
一見すると、日本の戦時中の民間用ゲートルのような印象です。
実際に巻いてみました。
織りの違いから若干柔軟性が高いので、一般的な綿製よりも巻きやすいです。
ぐるぐる巻くだけのいわゆるタケノコ巻きだと、どうしても端面が綺麗にフィットしないので、適度に折り返しを繰り返しながら巻き上げました。
生地の違いは巻き具合に大きく影響します。
普段の綿製ゲートルよりも、各段に綺麗に格好良く装着できました。
65式軍服と組み合わせて、1960~70年代の中国人民解放軍士兵装備の出来上がりです。
ゲートルは常に使われていたわけではなく、主に山岳地域での活動や長距離の徒歩行軍の際に用いられたようです。
私は足元が引き締まって見えるので、大変気に入っています。
【商品紹介】
綿製実物ゲートルの流通は流動的で、入手難度はその時々の状況によります。
現在は下記のレプリカ、代用品が購入できます。
「日中戦争 国民党軍 脚絆 ゲートル」…PLA実物とほぼ同型の複製品です。
「朝鮮戦争 中国志願軍 脚絆 ゲートル 緑」…同じく、PLA実物とほぼ同型の複製品です。
「[warreplica] WW1米軍カーキパテ/ M1910レギンスラップ-複製」…第一次世界大戦当時のアメリカ軍の巻きゲートルの海外製複製品です。素材がウール織ですが、実用性では断然こちらのほうが使いやすいです。