フランス陸軍の「F2戦闘服」です。
ヨーロッパ圏の各種軍装品は、軍用品専門店だけでなく古着店でも良く取り扱われています。
今回紹介する物も、比較的安価で入手したデッドストック品です。
この戦闘服の原型は1960年代後半までさかのぼれます。
当時の物は素材の名称を取って「サテン300」戦闘服と呼ばれていたようです。
「サテン300」は生地が厚く耐久性はありましたが、熱地では暑すぎるとの意見から、薄生地に変更された物が1980年に「F1」戦闘服として採用されました。
しかし、今度は生地の薄さゆえに耐久性に問題が生じ、1980年中頃にマイナーチェンジ版が「F2」の名称で採用され、その後も小改正を伴いつつ、現在まで使われています。
襟の形状です。
基本形は開襟スタイルのようです。
襟の内側にはタグがあり「88Cサイズ」の表記が確認出来ます。
また、戦闘服の内側にも「1984年製造」のタグ表記があります。
肩にはエポーレットが設けられています。
戦闘服の内側には、ガスフラップがあり、ボタン留め出来ます。
戦闘服のボタン配列です。
一番下にベルクロがあり、裾がバタつかないよう留める事が出来ます。
戦闘服の正面には階級章を取り付ける為のベルクロ台座があります。
また、両胸・両腰部にポケットが設けてあります。
胸ポケットはジッパー開閉式です。
容量は少ないです。
腰ポケットはドットボタン式の蓋で閉じられます。
カーゴボタン型の貼り付けポケットですが、マチが無く、容量は少なめです。
「F1」と「F2」では、戦闘服の裾に違いがあります。
「F1」では腰紐で絞るタイプでしたが、「F2」では内蔵ゴム式に変更されました。
右胸にはベルクロ式のネームテープが取り付けてあります。
台座だけの状態の販売も多いですが、今回購入した物には、無地の名札が貼り付けてありました。
袖口はドットボタンで2段階に留められます。
ズボン正面の形状です。
米軍のBDUや自衛隊の迷彩服と比べ、スリムな裁断でスマートな作りです。
ウエストにはベルトループがあります。
ズボン用ベルトは米軍の戦闘服・作業服用ベルトと同型の物を使用しているようです。
前合わせはジッパー式になっており、使いやすいです。
ズボンに縫い付けられたタグには「84Mサイズ・1994年製造」の表記が確認出来ます。
ズボン背面の形状です。
このズボンは、デザイン自体が “軍服” と言う主張があまり感じられない為、私服として普段使いにも重宝しております。
ズボン側面の形状です。
大腿部にあるカーゴポケットが外見上の特徴です。
ウエスト両側面に物入れがあります。
尻ポケットはありません。
カーゴポケットは蓋の両端をドットボタンで留める、戦闘服ポケットと同様の作りです。
米軍BDUのようなマチが無く、ポケット容量は少なめです。
その分、スマートに着こなせます。
膝部分には当て布による補強がなされています。
ズボンの裾はゴム内蔵で、脱ぎ着が楽です。
生地の質感もすべすべした触感で、使い心地は上々です。
フランス陸軍の戦闘服用階級章です。
階級は「カポラール」、旧日本軍で言うと「上等兵」にあたります。
裏面は、全面ベルクロになっています。
当然ですが、戦闘服の階級章台座と同じ形に出来ています。
張り付けると、画像のように見えます。
階級章はナイロン製の至ってシンプルな物ですが、階級章があるのとないのとでは、断然見栄えが変わりますね。
「フランス国旗腕章」です。
服と一緒に販売されていたので、アクセサリーとして購入してみました。
腕章の筒袖の部分はベルクロで貼り付けるタイプです。
腕章上部にはループが設けてあり、ここに戦闘服の肩エポーレットを通して吊り下げるように装着します。
ベルクロを貼り付け筒状にすると、こんな感じです。
腕章はジャケットの肩エポーレットを利用して装着します。
腕章着用状況です。
国旗がワンポイントになって、なかなか格好良いです。