
ベトナム人民軍の木柄手榴弾ポーチです。
手榴弾ポーチには2本収納タイプと4本収納タイプがあります。

こちらは2本収納タイプです。
主にベトナム戦争初期から中期頃に多用されたそうです。

ベトナム人民軍で多用された手榴弾は中国製の援助物資とベトナム製があり、どちらも木製の柄が付いたドイツ軍タイプの手榴弾です。
ベトナム製の物は中国製に比べ柄がかなり短いのが特徴で、それに合わせて作られたベトナム製手榴弾ポーチもコンパクトに出来ています。
手榴弾の保持は画像のように紐で縛って固定します。

裏面にはショルダー・ハーネスが縫い付けられています。
ショルダー・ハーネスの上下端を縫製することで、ベルトループの機能も持たせてあります。

ショルダー・ハーネスのサイズ調整は金具にて行います。
この金具や生地・縫製も含め、規格品らしさはなく、非常に手作り感あふれる仕上がりです。

こちらは4本収納タイプです。
ベトナム戦争では後期に使用例が多いようです。
このポーチに限らず、ベトナム人民軍の個人装備の多くは、中国製装備品を模倣したり、デザインを参考して製造されています。

4本収納タイプも紐で固定する作りですが、少々まとめるのに苦労します。

4本収納タイプもショルダー・ハーネスと裏面のベルトループを使って着装する作りです。
この個体は布地が白っぽく、色落ちしたというよりは、もとから色の薄い生地だったように見えます。

こちらのショルダー・ハーネスも金具調整式です。
ベトナム製装備の金具は大半が鉄製で、殆どの場合入手した時点で錆びているので、最低限の手入れは欠かせません。