中国版ポテトマッシャー ~ 中国人民解放軍 67式木柄手榴弾 (訓練用・モデル品)

中国人民解放軍の「67式木柄手榴弾」です。

 

 

今回紹介するアイテムは、訓練で使用する為に作られた教練用模擬弾で、実弾に近い重量と、おおよその外観を再現してあります。

 

 

人民解放軍装備を集めていた当初はダミーグレネードが流通しておらず、木工材料でそれらしく自作した事もありましたが、現在は教練用の模擬手榴弾や外見を精密に再現した模造品等、様々なバリエーションが(タイミング次第で)入手可能な時代となりました。

 

 

「67式木柄手榴弾」は、人民解放軍の代表的な手榴弾として長らく使用されています。

 

 

この模擬弾も、実物に倣い弾頭は金属製で、木製の柄にネジ止めしてあります。

 

 

「67式」は安定した性能と生産性の高さから広く普及しましたが、威力に関しては鋳鉄製弾頭の爆発時の破片効果が充分とは言えず、人民解放軍では中越戦争でベトナム人民軍から鹵獲したアメリカ製40㎜グレネード弾を研究し、プレス製の外殻の中に鉄球を敷き詰めた、殺傷効果の高い各種スチールボール式手榴弾を開発しました。

 

 

 

 

模擬弾の弾頭も鋳造の雰囲気のある質感です。

弾頭の表面処理や塗装は大雑把で、あくまで実用品である模擬弾らしい荒々しい作りです。

 

 

弾頭と木柄の接合はガッチリはめ込まれており、ガタは全くありません。

実際に投擲する為、頑丈に作られているのでしょう。

 

 

実弾ではネジ式のキャップがある部分は、ただの棒を切削したままになっています。

実用品ならではの割り切った処理ですね。

 

 

手にしてみると、ずっしりとした重さと、ほどほどにコンパクトなサイズ感が心地よいです。

 

 

専用の手榴弾ポーチに収納してみました。

 

 

模擬弾はどうやら木柄が実弾より若干長いようで、蓋が閉まりません。

 

 

そこで実物の寸法を調べ、同寸になるように木柄をカットしました。

 

 

ついでに、キャップに相当する位置に溝を彫り、塗装でキャップ風に見えるように仕上げてみました。

 

 

色は実物にならってカーキグリーンで塗装しました。

かなり雑な切削痕ですが、個数が多いので効率優先で簡単に仕上げました。

 

 

再度、手榴弾ポーチに収納してみます。

 

 

綺麗に収納出来ました。

結果、手榴弾ポーチは余裕なくジャストサイズで製作されているとわかりました。

 

 

こちらは別のショップで販売されていた物です。

 

 

一見、同じに見えますが、弾頭の形状や木柄の面取り等、細部が異なります。

 

 

こちらの弾頭は、ざらつきのないのっぺりした外観です。

 

 

こちらの製品も、キャップ部分は再現されていません。

 

 

弾頭は継ぎ目が無い代わりに段があり、製法自体が違うのかな、という印象です。

 

 

2種類の模擬弾を並べてみると、結構印象が異なります。

 

 

どちらが良い、とは一概には言えず、どちらも特徴のある作りです。

 

 

弾頭の作りはかなりの相違が見られます。

 

 

面取りしてあるのが良いか、ざらつきのある質感が良いか…。

 

 

加工品は実寸になっているので全長に差があるように見えますが、切断加工前は両方とも同じ長さでした。

 

 

ドイツ軍の「M24柄付手榴弾」のモデル品と並べてみました。

「M24」は第二次世界大戦中に中国軍によってコピー生産され大量に使用されました。

 

 

戦後開発された「67式」は、「M24」と比べるとコンパクトに設計されています。

弾頭のサイズの違いは顕著で、実戦で威力不足が指摘されたのも、このサイズに起因するものと思われます。

 

 

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