アメリカ陸軍の「M17A2 プロテクティブマスク・キャリーバッグ」です。
画像の物は実物中古放出品です。
アメリカ陸軍では、1944年「M5ガスマスク」、1947年に改良型の「M9ガスマスク」が運用されていましたが、1959年に「M17ガスマスク」が採用され、性能が安定していた事から「M17A1」、「M17A2」と改良されながら1980年代まで運用されました。
1991年、湾岸戦争の戦場で不具合が報告されて後は「M40ガスマスク」の開発と更新が進められ、2009年からは「M50ガスマスク」が採用・支給が進んでいます。
ガスマスク・バッグ自体の形状はM17採用当時から殆ど変更は無く、ストラップの素材がコットンからナイロンに置き換えられる等の改修が見られるのみです。
本品は「M17A2 フィールド・バイオロジカル・ケミカルマスク」の表示が確認できます。
ちなみに自衛隊でも1980年代に日本製コピー品が「防護マスク3型」の名称で運用されていますが、収納ケースは全く形状が異なり、装備品に対する考え方の違いが興味深いです。
メイン・ストラップは基本は腰から太股にかけて下げるために使う物で、幅の広いナイロン製です。
こちらの幅の細いストラップは足に回して固定する為のものです。
アメリカンサイズのためか、私の場合、最短まで調節してもすこし緩いです。
ガスマスク・バッグの収納部です。
フラップは2箇所のスナップボタンで留める方式です。
内部はガスマスク本体を収納するのにピッタリの容積で、あまり余裕は無いように感じられます。
内部に付属品を収納する為のポケットがあります。
フラップのちょうど反対側には、サイドポケットと小さめのポーチがあり、ここにも規定の付属品を収納します。
サイドポケットはドットボタンで留められています。
サイドポケットを開けた状態です。
収納スペースはかなり狭いです。
小ポケットの蓋はドットボタン2個で閉じられています。
各ポケットに収納する物については、知識不足で分りません。
私は、着装する際は適当な詰め物を入れたり、フルフェイス型ゴーグルの収納に利用したりしています。
実際に着用した状態です。
これは基本となる「レッグ・キャリー」で、この上から装備ベルトおよびサスペンダーを装着します。
こちらはガスマスクのみ携行する際の装着位置「ショルダー・キャリー」です。
教本には図示がありますが、実際の着用例はあまり見られません。