現用ベトナム軍の軟質樹脂製サンダルです。
ひと昔以上前の便所サンダルのような印象ですが、これでもれっきとした軍官給品で、運よく入手出来たのは僥倖でした。
かつて広く普及していたゴムタイヤ製の「ホー・チ・ミン・サンダル」の後継として支給されている装備で、明確な規格化と素材・構造の改善により(これでもかなり)近代化されています。
靴底のパターンはまんま民間の突っ掛けサンダルそのものです。
事前知識がなければ、到底軍用品とは思わないでしょう。
素材はビニールっぽい質感で、塩化ビニール製かな?と思われますが、正確には不明です。
成形色が小豆色なのがまたダサさを増幅させています。
緑色だと軍用らしさが増すのでしょうが、資料画像を見る限り、かたくなに小豆色を貫いています。
サンダルのストラップは簡単な調節機能があり、サイズ調整可能です。
ストラップの構造は画像のようになっています。
ブリキの金具とストラップ凸モールドで引っ掛け固定する簡単な作りですが、案外使い勝手が良いのが面白いです。
ホー・チ・ミン・サンダルは手作り感あふれる所が魅力的でしたが、こちらの官給サンダルは規格量産品らしさが魅力でしょうか。
靴底には製造メーカー名と、サンダルのサイズが表記されています。
実際に履き物として使用するためというよりは、現用ベトナム軍の個人装備として確保しておきたいアイテムです。
現用ベトナム軍で使われているリュックサック型背嚢には、サンダル縛着用の紐が設けられており、特に完全軍装を再現する上では必需品です。
サンダルの着用状況です。
実際の使い心地は見た目の古臭さに反して、意外にも快適です。
足へのフィット感が心地よく、通気性も抜群です。
ビニール感あふれる質感ですが、適度なクッション性に感じられるのでなかなか優れた逸品です。