2000年代の「中国人民解放軍 空軍 空降兵(空挺隊)」装備です。
着用しているのは「99式迷彩服」です。
迷彩服には空軍肩章(階級章)と空降兵臂章(部隊ワッペン)を取り付けてあります。
帽子は「87式迷彩作訓帽」です。
顎紐は形だけの装飾で、実用機能はありません。
装備品は「99式傘兵携行具」で、画像の2個の手提げかばんに装具一式を詰め込んでいます。
この手提げかばんは、装備時には縦に連結して、背嚢になります。
「99式傘兵携行具」一式を着装した状態です。
背中には上下二個の背嚢を連結して身に着けています。
ヘルメットは空降兵専用の「91式傘兵ヘルメット」です。
降下時には、大型の耳覆いを取り付けています。
軍靴は降下靴である「91式傘兵靴」です。
一般兵のゴム底布製「解放靴」よりもはるかに頑丈でクッション性に優れた作りです。
装備品の着用状況です。
主に、背嚢のボリュームがあり、荷物を詰めた状態ではかなりの重量があります。
一般兵よりも優遇された特殊兵科の空降兵装備ですが、いまひとつ垢抜けないスタイルは「87式迷彩服」が使われていた1990年代の人民解放軍装備の「ダサかっこいい」魅力にあふれています。
戦闘に備え、重荷となる背嚢を取り外した状態です。
背嚢が無いだけで、かなり軽量で動きやすく感じます。
「91式傘兵ヘルメット」の耳覆いはドットボタンで取り付けてあり、引っ張って簡単に取り外せます。
このヘルメットはグラスファイバー製で、防弾効果はありません。
背嚢を下ろすと、ベルトとサスペンダーを組み合わせた個人装備の構成が良くわかります。
軍装品としてはスタンダードなスタイルですが、採用時期的にはすでにタクティカルベストが歩兵部隊に配備が進められており、中国軍装として見ても、少し古い印象を受けます。
装備しているのは「95式自動歩槍(自動小銃)」です。
1995年の制式採用され、1997年から配備が開始された人民解放軍の主力小銃で、現在も改良版の「95-1式自動歩槍」への更新を受けつつ、運用が続けられています。
この「95式自動歩槍」は、外装がゴム製の訓練用模擬銃です。
細部のディテールは甘いですが、サイズと重量は実銃に似せてあり、コスプレには重宝するアイテムです。
「99式傘兵携行具」は少々独特な使用感ですが、取り回しは容易で動作はしやすいです。
空軍では数年後には新型の「02式傘兵携行具」に装備更新されており、実のところ「99式傘兵携行具」の使用例は意外なほどに見かけません。
いっぽうで装備品自体は未使用品が安価で流通しており、運用上の問題が生じて、「生産してはみたものの、普及しなかった」可能性もありそうです。