ソ連軍の熱地用短靴です。
ソ連軍では基本的に徴集兵には合成皮革製のキルザチー(長靴)が支給されていましたが、勤務地域が酷暑となる中央アジア方面へは、熱地服と共にこの短靴が支給されていました。
熱地服はズボンの裾が普通の断ち切り型になっており、短靴を履いた際に違和感のないデザインになっています。
熱地で長靴では熱がこもり不便である為、通気性に優れた短靴が支給されたものと思われますが、供給状況によっては通常の長靴が回ってくる兵士も少なくなかったようです。
短靴のデザイン・縫製は目立った特徴のないスタンダードな物で、靴底はゴム製です。
ゴム一体型の靴底には製造工場の刻印類が見られます。
素材は本革で、シボ加工された表面処理が特徴です。
中敷きはダイソーで購入した物を入れています。(中敷きなしだと非常に硬くて履き心地が悪いので…。)
この短靴にはいくつかバリエーションがあり、丈がもう少し高いものもあります。
そちらは第二次世界大戦中の編上げ靴(巻きゲートルと合わせる靴)に近いスタイルの物のようです。
全体的な造りは、質実剛健といった雰囲気です。
古い時代ならではの、しっかりした作りが感じられます。