アメリカ陸軍の簡易雨具、通称「ポンチョ」です。
画像の物は実物放出品です。
中古品ですが、穴空きや裂け等は無く、十分実用できる状態です。
フード部分は独立して成型してあるのが同時期のドイツやソ連との違いですね。
使いやすさ重視の、アメリカらしいつくりです。
ポンチョの端面には大きい鳩目が設けてあり、複数枚組み合わせる事で個人用天幕(簡易テント)を作る事もできます。
着用するとこんな感じです。
画像の物はベトナム戦争初期から中期に使用されたタイプで、厚手のゴム引き布製です。
ポンチョ両端はドットボタンで留めてあり、防水効果を高めています。
ゴム引き布製は厚手で丈夫な一方、通気性はほぼ無きに等しくベトナムの過酷な気候では不評だった為、やがて薄手のナイロン製に更新されていきました。
雨避けフードは大型で、余裕のある造りです。
襟元は紐で絞る事もできます。
野戦での雨天装備状況です。
ポンチョは大きいので全身くまなく覆う事が出来ます。
ポンチョの両端はドットボタンで留めてあるので、ちょうど筒袖のように扱えます。
画像のように銃を肩に下げても、極力隙間が生じないよう配慮されています。
M16A1ライフルを構えてみました。
このまま射撃姿勢への移行も問題なく行えます。
背面は内側の装備品でこんもりしていますが、この姿がいかにもベトナム戦争らしいです。
こちらは「ポンチョ・ライナー」です。
画像の物は実物放出品です。
ベトナム戦争当時のものは、リーフ迷彩柄で作られていました。
素材はナイロンで、中にポリウレタン綿がつめてあり、キルティング加工してあります。
ポンチョライナーは薄くて軽い毛布のような物で、ポンチョと組み合わせる事で簡易寝袋を作る為の装備品です。
画像のように、ポンチョの上にポンチョライナーを重ねます。
ポンチョライナーについている紐をポンチョの鳩目に結び付けていきます。
全体を二つ折りにして紐で固定したら袋状になるので、これで簡易寝袋の完成です。
画像のような感じで外でも快適に(?)眠る事が出来ます。
できれば、ベトナム戦争当時支給されていた、エアマットレスを敷くのが望ましいですね。
こちらは「M1956スリーピングバッグ・キャリア」です。
名称が示す通り「スリーピングバッグ(シュラフ:寝袋)」に使用する物ですが、ポンチョを使った簡易寝袋の携行にも使用されました。
使い方は、ポンチョライナーをポンチョで包んでロール状に折り畳み、このストラップで纏めます。
キャリアを組んだ状態です。
左側の二つのストラップを、装備サスペンダーに通して背中に背負います。
裏にはポンチョキャリア単体でも持ち運べるよう、持ち手が設けられています。
ポンチョライナーを装備した、1965年頃のアメリカ陸軍 第25歩兵師団の下士官です。
ポンチョライナーは背中に位置しています。
薄いとはいえポンチョとポンチョライナーを重ねると結構かさばります。
ポンチョキャリアのストラップは、H型サスペンダーの正面金具に通し、折り返して背負います。
アメリカ軍には就寝用のシュラフ(寝袋)が装備品として存在しますが、ベトナムでは気候柄、ポンチョとライナーの組み合わせで済ませる事が多かったようです。