中国人民解放軍 07式作戦靴 (実物)

中国人民解放軍の「07式作戦靴」です。

 

 

人民解放軍では1950年以来、幌布とゴムで出来た「解放靴」を長年使用していましたが、1990年代後半から国際標準に合わせたコンバットブーツの導入を始めました。

 

 

それ以前にも、胴が幌布製で毛皮で内張りされた防寒靴や、旧日本軍の「昭五式編上靴」に似たデザインの革靴が使われていましたが、使用規模は限定的な物でした。

 

 

人民解放軍のコンバットブーツへの最初の試みは1997年、香港の中国返還に際して派遣された「駐香港部隊」向けに作られた「97式作戦靴」で、デザインは米軍のジャングルブーツに良く似ており黒革と迷彩幌布で作られていました。

 

 

「97式作戦靴」は全軍に普及するには至らず、より実用性を向上させた全革製の「03式作戦靴」が採用されます。

そして「03式作戦靴」を小改良した物が今回紹介する「07式作戦靴」です。

 

 

コンバットブーツとしては「07式作戦靴」をもって一応の完成を見たようで、現在では人民解放軍全軍に配備されています。

 

 

「07式」は、「03式」と外見上の相違はほとんど見られず、素材や縫製の改良版と思われます。

 

 

靴の構成は主に黒革製で胴部は布製、ソールはゴム製と、基本構成は「97式」から変わりません。

 

 

付属品として、はじめから中敷が入っています。

 

 

中敷きの素材は高密度のスポンジで、履き心地も良好です。

 

 

内張りは綿製のようで、肌触りの良い素材が使われています。

 

 

靴底部は素材の革が見えます。

付属の中敷を用いる為、クッション性は良好です。

 

 

内側には「2015年製・25.0㎝」のタグがスタンプしてあります。

 

 

ソールは硬質ゴム製で、トレッドパターンはしっかりしており、グリップ力も十分あります。

 

 

つま先はカドが立った独特の形状で、しっかり成形されており、品質の高さが伺えます。

このエッジの立った形は、「97式」以来の中国製コンバットブーツの特徴です。

一方、人民武警向けの制式品はエッジが丸く米軍や自衛隊風で、その違いもまた興味深いところです。

 

 

かかとは良質の革が使われており、立体感ある成形です。

 

 

上部にはベロが設けられており、履き易いよう配慮されています。

 

 

実際に使用してみると、米軍や自衛隊の戦闘靴と比較してもなんら遜色無く、品質の高さを実感しました。

最新の情報によると、新型の「17式作戦靴」が登場したようですが、全軍普及はまだまだ先になりそうです。

 

 

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