この本は、数多いアニメ「機動戦士ガンダム」の書籍の中でも、アニメ設定をリアルに考察するSF考証系の本です。
ガンダムシリーズ何十周年かの時期に、そのテの書籍は結構発刊された記憶がありますが、それらの本が現実の戦史(主にWW2)とアニメのストーリーを照らし合わせて類似点を指摘するタイプの物ばかりだったのに対して、コチラの方はアニメ「機動戦士ガンダム」本編の内容を、あたかも現実に起きた歴史の如く解説するコンセプトとなっています。
リアルに考えた場合の矛盾点や疑問点への理由付け(ぶっちゃけると言い訳ですが)は、 “モビルスーツが何故人型なのか” については過去の書籍でも幾度と無く語られていましたが、この本に掛かると、さらに深い部分にも追求と解説の手は及び、 “グフの色が量産後も青いものばかりなのは何故か” や ”地球連邦政府はなぜ影が薄いのか(アニメではほとんど軍人しか登場しない点への疑問)” そして “ジオン公国は何故開戦に至ったのか” という物語の基本部分まで「あたかも見てきたような」詳細な解説がされており、実に読み応えのある内容です。
学研の戦史シリーズにわざと酷似させた表紙、内容の構成は、純粋なアニメ・ファンには文字ばかりで面白くないかもしれません。
ですが、ミリタリー嗜好でアニメ・ゲームもイケル人には、書棚に必須のクオリティだと感じました。
正直、ここまでやり尽くしたガンダム・ネタ本もそうないと思います。
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