かねてより、各種ブログ記事にてたびたび紹介してきた中国人民解放軍のチェストリグスタイルの弾薬ポーチ、その収納物については、画像資料や構造に基づく憶測で軍装再現してきました。
今回、調べていく中で、新たに一次資料と思われる図説を発見した為、補足と言う形で軍装再現の追加記事を投稿致します。
インターネット検索による資料探索の中、発見したのがこの画像。
56式自動小銃用弾薬袋の構造の図説ですが、各ポケットに収納する物品が具体的に指示されています。
同資料を基に収納状況を再現した物がこちらです。
中央に弾倉を収納する点は間違えようのない部分ですが、左右の小ポケットの使い道は、過去の推測と異なる点がわかりました。
左端の斜めに傾斜した底を持つポケットには、小銃実包の梱包を入れる規定となっていました。
今まで、国内・国外のミリタリー界隈の方々のブログやSNSフォーラムを参考に、オイラー缶と銃手入れツールを収納すると判断してたのですが、どうやらオイラー缶の収納は(図説の通りなら)誤りのようです。
そして、右端のポケットですが、ビニールコーティングや折り畳んだビニールシート片が付属している事から、水分を避ける構造から考え、救急用品である包帯パックを収納すると考えていました。
今回の図説により、オイラー缶の収納ポケットであると判明しました。
防水加工と思っていたのは、漏れだしたオイルがしみ込んでポケットの布地を傷めるのを防ぐ為だったと考えると合点がいきます。
このように、判明した新情報で知識が上書きされるのも、軍装趣味を長く続けていると“稀に良くある”事ですね。
あえて蛇足ながら付け加えるなら、図説の規定がいつ頃の物か、そしてそれがずっと更新されなかったのかと言う点は断定するに足る情報量としては万全とは言えないかもしれません。
そして、実際の軍務においては現場の創意工夫や個人の判断により、発煙筒や手榴弾を収納したり、便利な運搬道具として様々な扱われ方をした点も、軍装再現では考慮すると面白い点だと思います。
一例を挙げても、56式小銃射手でない兵士が、このチェストリグを身に着けている実録映像は頻繁に見られますからね。
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