むかしなつかし人民帽 ~ 中国人民解放軍 65式解放帽 (実物)

中国人民解放軍の「65式解放帽」です。

解放帽は古くは中国共産党軍の八角帽を原点として、時代を経てデザインが洗練されていきました。

 

 

人民解放軍では1958年の軍服規定により「58式解放帽」として採用されました。

「65式解放帽」は、軍服の装飾性排除の方向性に合わせて、帽徽(帽章)の変更が加えられたモデルです。

 

 

この帽子は実物未使用品で、帽子の内張りに朱色のタグ・スタンプでサイズと製造年が記されています。

サイズ表記は「3号」、製造年は「1968年」と読み取れます。

 

 

帽子の汗止め縁取りには防水ビニール質の素材が使われています。

 

 

吸水性は無いため、帽子は痛みにくい代わりに発汗時の被り心地はお世辞にもよろしくありません。

 

 

この個体は、「65式」の中でも初期型に分類される物で、「58式」以来の外観上の特徴として、つばの芯が柔らかく、ジグザク縫いで補強されています。

 

 

解放帽の「帽徽(帽章)」です。

 

 

「58式」までの“八一”の意匠の取り入れられた丸型帽徽から一転、朱色の五角星帽徽となりました。

 

 

アルミ製の帽徽は裏面に通してある針金を使って帽子に取り付けます。

 

 

65式解放帽の外観です。

 

 

実測サイズは56~57cm位で、私にはきつめのサイズなので、もっぱら収蔵品となっています。

 

 

こちらは65式解放帽の後期生産型です。

この帽子も実物未使用品です。

 

 

解放帽の素材は軍服と同じ、軍緑色の綿製です。

のちに採用された「78式解放帽」では、デザインはそのまま素材が化繊に変更されました。

 

 

タグ・スタンプによると、サイズは「2号」、「1971年製」と表記されています。

 

 

汗止めバンド部分は、初期型同様のビニール質素材です。

 

 

表面はシボ加工されており、さわり心地はざらざらしています。

 

 

解放帽・ 後期型 の外観です。

 

 

「65式解放帽」と「65式軍服」の組み合わせは、日本では俗に“人民服”と呼ばれ、冷戦期の中国を印象付けるイメージ・アイコンとして記憶されています。

 

 

製造時期の異なるふたつの「65式解放帽」です。

後期型はつばのジグザク縫いが廃止され、硬めの芯が使われており、のちの「78式解放帽」と同じ縫製になっています。

 

 

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