中国人民解放軍 56式半自動小銃 チェストリグ (実物)

中国人民解放軍の「56式半自動歩槍(半自動小銃)」の「子弾袋(弾薬ポーチ)」です。

 

 

人民解放軍の個人装備ではお馴染みのチェストリグ・タイプです。

 

 

「56半」用弾薬ポーチとしては、装備ベルトに装着する弾薬盒タイプの物もあり、茶革製や緑色ビニール合皮製の弾薬盒が映像資料から確認できます。

 

 

このチェストリグ・タイプは、「56半」用としてはもっとも普及したタイプで、ベトナム戦争では援助物資として銃・弾薬と共に大量に供与されており、多くの戦場写真で目にします。

 

 

「56式半自動歩槍」は、初期には「56式騎槍(カービン)」とも呼ばれ、1956年の制式以来、1980年初頭まで人民解放軍地上部隊の主力小銃でした。

 

 

有名な「56式自動歩槍(AK-47)」は、分隊長・副隊長の持つ“サブマシンガン”として配備されており、数の上では1個分隊9名あたり「56半(SKSセミオート小銃)」×6挺、「56式(AK-47突撃銃)」 × 2挺、「56班(RPD軽機関銃)」 × 1挺という比率で、「56式AK」は予想以上に数が少なかったようです。

 

 

1979年に起きた「対越自衛反撃戦(中越戦争)」で兵力に劣るベトナム人民軍を相手に、まさかの苦戦を強いられた人民解放軍は、装備の旧式化を痛感し1980年代に急速に火力を強化します。

「56式突撃歩槍」の増産と、新型小銃「81式自動歩槍」の配備が進み、1980年~1989年に断続的に続いた「中越国境紛争」の資料映像では「56半」は殆ど目にする事がありません。

 

 

「56半」は人民解放軍ではとっくに退役していますが、民兵や大学生の教練等、二線級装備として現在でも広く運用されており、このチェストリグもまだまだ現役で使われ続ける物と思われます。

その為、この銃を使用した経験のある中国人は少なくないようで、前述しているとおり「56半(ウー・リュー・バン)」と呼ばれ、知られている存在です。

 

 

それではチェストリグの構造を見てみたいと思います。

チェストリグのフチ部分は、ビニール質の素材で補強されています。

 

 

「56半」は着脱マガジン式ではなく、「M1ガーランド」のように、7.62㎜x39弾を10発クリップで止めた弾薬を直接装填します。

 

 

ダミーカートリッジは入手できなかったので、同寸のアンコを自作しました。

 

 

ポーチはクリップ弾薬1個が収納できるようです。

 

 

詰めてみたら丁度ぴったりでした。

 

 

ポーチに入りそうなマガジンを並べてみました。

「コルトM1911A1」のマガジンは薄いので余裕で収納出来ます。

 

 

ボルトアクションライフルの定番、東京マルイ製「VSR-10」のマガジンも収納可能です。

 

 

同じ位のサイズのタナカ製エアコッキング「モーゼルKar98k」のマガジンも入ります。

 

 

東京マルイ製「SIG P226」のマガジンは、ポーチには入りますが、長さがあり蓋は閉められませんでした。

 

 

チェストリグの左端のポーチは少し大きく、内側が防水質のビニール素材で作られています。

 

 

このポーチは携帯包帯入れになっています。

 

 

包帯は画像のように収納します。

 

 

内側のビニールコーティングの状態です。

 

 

「56式突撃歩槍」チェストリグとの比較です。

ポーチのサイズの違いを除けば、基本構造は双方とも同型のようです。

「56式」「56半」共に、チェストリグは製造数が膨大な上に現在でも海外向けに生産されており、様々な仕様・製造年の個体が潤沢に市場に流通しています。

 

 

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