
中国人民解放軍の「81式迷彩服」です。
中国本土のインターネットで調べた情報では「81式双面迷彩服」と表記されています。
また、支給当時の付属書類では「81式双面偽装衣」と記載されていました。
画像は表面迷彩柄で着用した状態です。

81式迷彩服は人民解放軍初の制式採用された迷彩服であり、1980年代を通じて多数がベトナムとの戦闘に投入されました。
81式には迷彩柄やデザインに多くのバリエーションがありますが、私の所有する物は最もスタンダードなタイプです。

81式迷彩服の特徴のひとつは両面リバーシブル柄となっている点です。
画像では裏面迷彩柄で着用しています。

表面迷彩は緑の多い植生、裏面迷彩は枯れ草や荒地での使用を想定しており、運用においては戦場の地形に合わせて速やかに着替える事、とされていたようです。

もうひとつの特徴は内蔵式のフード(頭巾)が付属している点です。
画像は表面迷彩柄のフードを被った状態です。

フードを被る事で、擬装効果を高める事が出来ます。

多くの場合、顔面を覆うフェイスマスクも付いているようですが、私の所有する個体には付いていませんでした。

画像は裏面迷彩柄のフードを被った状態です。
同様の特徴を持つ事から、私はソ連軍の2ピース型迷彩カバーオール「KZM」を参考にして開発されたと推測しています。

フードを被った状態でサバイバルゲームをした感想は、確かに迷彩効果は高いのですが、通気性に欠けるため非常に蒸し暑く、ゴーグルも眼鏡も曇ってしまい苦労しました。

迷彩生地はかなり薄手で、基本的に軍服の上から羽織るように作られているようです。
画像は78式軍服の上から着用した状態です。

画像は記録映像でも度々見られる、白無地ワイシャツの上から迷彩上着のみを着用した状態です。
実際には、使用された戦場が高温多湿の中国・ベトナム国境地帯だった為、迷彩服のみ着ている場合が多いです。

いっぽう、山岳高地では気温が低い時期もあるようで、中着にジャージを着込んでいる姿も頻繁に見られます。

表面迷彩・正面のデザインです。

表面迷彩・背面のデザインです。

前合わせやポケット等は隠しボタン式になっていて、草木に引っかからないよう配慮されています。


上着の裾にはゴムが内蔵されている他、前合わせは端末までボタン式です。



表面迷彩側には胸ポケットが二つあり、隠しボタン式の蓋が設けてあります。


左上腕部に小型ポケットがあります。
こちらも隠しボタン式で、包帯を収納するものと思われます。

リバーシブルなので内側には裏面迷彩柄が見えます。

ひじには何重も縫い込みによる補強がされています。


袖はボタン止め式です。


襟の内側には内蔵ポケットがあり、その中にフードが収納されています。

フードの収納部分は台形に膨らんでいます。


フードは根元が縫い付けられており、ポケットから引っ張り出して着用します。

引っ張り出したフードの正面形状です。

同じく引っ張り出したフードの背面形状です。

表面迷彩柄ズボンの正面形状です。

表面迷彩柄ズボンの背面形状です。


ズボンにはスリットポケットが二つあり、腰回りにはベルトループが設けてあります。

ファスナー部分はボタン式です。


後ろ側には、尻ポケットが2個設けてあります。


尻ポケットには蓋があり、隠しボタン式です。

ひじ同様、ひざにも補強縫い付けがしてあります。

ズボンの裾は紐で絞れるようになっています。

裏面迷彩の正面形状です。

裏面迷彩の背面形状です。


前合わせやポケットは隠しボタン式になっていて、不用意に引っかからないよう配慮されています。


裏面迷彩側にも胸ポケットが二つあり、隠しボタン式の蓋になっています。

裏面迷彩側には小型ポケットはありません。

リバーシブルなので内側には表面迷彩柄が見えます。

背中側を見ると、フード内蔵ポケットの部分が割と目立ちます。

引っ張り出したフードの正面形状です。

引っ張り出したフードの背面形状です。

裏面迷彩柄ズボンの正面形状です。

裏面迷彩柄ズボンの背面形状です。

ズボンにはスリットポケットが二つあり、腰回りにはベルトループが設けてあります。

表面側と違い、尻ポケットはありません。

ズボンの裾は紐で絞れるようになっています。
【商品紹介】
「戦場からニイハオ: 中国女性従軍カメラマンの日記 単行本 – 1999/10/1」…中越国境紛争当時の、人民解放軍カメラマンの女性のノンフィクションエッセイです。戦場の体験や、撮影された写真が掲載されており、勉強になります。