ドイツ国防軍 M38 ガスマスク用コンテナ (中国製・複製品)

第二次世界大戦当時、ドイツ軍で使用されていた「M38ガスマスク携行用コンテナ缶」です。

画像の物は外観重視で作られた中国製複製品です。

 

 

このコンテナ缶の形状は、私にとってはタミヤのMMシリーズのフィギュア(35分の1スケールのプラモデル)のドイツ兵の部品として非常に馴染みのある物です。

 

 

同時期の世界各国ではガスマスクの携行には主にコットン製のケースを用いましたが、ドイツ軍では金属製のコンテナ缶を使用したため、円筒形の金属缶を携行する姿はドイツ兵特有のイメージになっていると思います。

実際には第二次世界大戦中に大規模な毒ガス戦は起こらなかった為、大抵の軍隊では必要ないと判断された時はガスマスクの携行をしない事もあり(日本陸軍等)、中にはガスマスク自体を捨ててしまう事さえありましたが(アメリカ軍)、ドイツ軍では律儀にも常にこのコンテナ缶を携行していました。

 

 

コンテナは、たすき掛けするためのハーネスと、装備ベルトに引っ掛けるフック金具で着装します。

 

 

コンテナの蓋はスプリングの入ったプレートでロックしてあり、コットン製のタブを引っ張る事で外せます。

 

 

外観重視の複製品の為、コンテナ缶の内部は一部省略されており、単なる金属缶となっています。

 

 

蓋の部分には付属品を入れるケースが再現されています。

 

 

この中に、ガスマスクの換えのレンズ等を収納したものと思われます。

 

 

ガスマスクには付属品として、簡易防御用のガスシートがあり、これを折りたたんでケースに入れ、コンテナと共に携行していました。

 

 

ガスシート・ケースは薄手のコットン製のものやゴム引き布製の物等、いくつかの種類がありますが、いずれも構造は簡素な物で、中には特殊処理された紙製のシートを収納します。

 

 

蓋はドットボタンで簡単に開け閉めできます。

収納するシートは半身を覆う程度のサイズはあったようです。

 

 

複製品では中身は再現されていませんが、ごらんのように単純な袋状態です。

 

 

私は形状保持の為、新聞紙を折りたたんで収納しています。

これでも充分それらしく見えます。

 

 

本来、ガスシート・ケースはガスマスク・コンテナのハーネスに通し、身体前面・胸の部分に位置するのが正規の着装方法でしたが、戦闘時簡単に位置がずれてきて邪魔な為、画像のような装備縛着ストラップでコンテナに巻きつけて携行するのが一般的でした。

ただし、ガスシートが傷んで所定の性能が発揮できなくなる恐れがあり、そのような携行はするなという禁止令が何度も出されたそうです。(それでも前線では無視されていたのが資料映像から確認出来ます)

 

 

ドイツ国防軍の正規のガスマスク携行方法です。

このように身体正面にガスシートケースが位置するのはしっかりポーズを決めている時だけで、戦闘で激しく動くとすぐにずり落ちてきて邪魔な事この上ないです。

何度も禁令が出されたにもかかわらず、ガスマスク・コンテナに縛着して携行されたのも納得です。

 

 

コンテナはハーネスでたすきがけの容量で背後に背負われた後、フックで装備ベルトに引っ掛けられます。

これぞドイツ兵、といった精悍な印象です。

もっとも、サバイバルゲームでは邪魔臭くなって真っ先に脱ぎ捨てられる装備のひとつだったりします…w

 

 

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