現用ベトナム軍の「K07迷彩帽」です。
「K07迷彩服」と共に制式採用された作業帽で、通常勤務から戦闘訓練まで広く用いられています。
ベトナム人民軍の迷彩服は「軍官(士官)」と士兵「(下士官・兵卒)」で素材やデザインが異なりますが、この迷彩帽も階級ごとに迷彩服と同じく布地の違いがあります。
今回紹介する物は士兵用で、迷彩服と同じ中厚地の迷彩生地が使われています。
側面には、通気用の鳩目穴が設けてあります。
後頭部はゴムが内蔵されており、被った際のフィット感に貢献しています。
帽子の内側、鉢巻き部分はビニール質の素材が使われており、汗の浸食を防ぐ作りになっています。
迷彩帽正面に帽章を取り付ける為の鳩目穴が設けてあります。
帽章はスクリュー式で簡単に取り外しできます。
帽章は金属製で、「ムゥ・コーイ(サンヘルメット)」に使われている物と同一です。
ツバは硬い芯が入っており、しっかり形状出しされています。
ツバの裏面には、芯の固定および補強のための重ね縫いの様子が見て取れます。
帽子の天頂部裏面に、製造工場のタグが縫い付けてあります。
タグの表記から、軍正規品で2016年製とわかります。
「K07迷彩帽」の、軍官用と士兵用の比較です。
デザイン自体は違いは見受けられません。
内張りやタグにも大きな差はありません。
サイズ表記の部分は、製造年代の違いによる差異と思われます。
ツバを比較すると、両者の生地の違いがわかります。
左が軍官用でリップストップ生地が使われており、独特の格子状の外見で判別できます。
迷彩帽の着用状態です。
旧型略帽と比べると装飾の顎紐が無くなり、折り目の角を強調した立体的な外見で、精悍な印象です。
ゴムバンドが内蔵されておりフィット感があるので使用感は良好です。
暑いとビニール内装が汗を吸わないので、その点での不快感は若干気になりますが、肌触りを重視するか、帽子が痛むのを避けるかの考え方の違いとも言え、一概に優劣は付けられないですね。