韓国のトイガンメーカー「トイスター」から2012年頃に発売されたエアコッキング・ハンドガン「トカレフ TT-33」です。
トカレフのエアソフトガンとしては1990年代に発売されたハドソン製ブローバック・ガスガンに続き、2度目の商品化です。
外装ABS樹脂製ですが、マットブラック塗装されており、なかなか良い雰囲気です。
サイズ的に「コルト M1911A1」と同じ位で、米軍のガバメント用革ホルスターにも難なく納まります。
購入当時の価格は¥3,980でしたが、これは韓国での販売価格の2~3倍の売値だそうです。
当時は高いと感じましたが、日本向けパッケージにするコストを考えれば妥当を思えるようになりました。
バレルブッシングは金属製、インナーバレルは真鍮製です。
また、セフティやハンマーなど、その他可動部分にも金属が使われており、安心感があります。
外見上のアレンジとしては、実銃にはないマニュアルセフティが追加されています。
スライドストップの真下の丸いボタンがセフティです。
形状はトイスター独自のデザインで、「S」の位置に回すと安全装置が掛かります。
スライド後端に隠れる独特な丸いハンマーも再現されています。
ハンマーはダミーですが、トリガーに連動して可動します。
この銃の面白い点として、スライドストップ機能が付いているので、マガジンが空の状態でスライドを引くとホールドオープン状態でロックされます。
エアコッキングガンでスライドストップがライブなのは珍しいと思います。
スライドは画像の位置まで引けます。
実銃よりは短いので、エジェクションポートが全開にはなりません。
内部のピストンは、同社の他の製品同様、透明樹脂製のようです。
グリップパネルは実銃に倣ってねじを一切使わない構造が再現されています。
初速は60m/s台で、エアコッキング・ハンドガンとしては必要充分でしょう。
コッキングは妙に固く、慣れるまでは力加減に戸惑います。
マガジンは大きさ・形状共に概ねリアルサイズのようです。
装弾数は10発ですが、ハンドガンタイプのトイガンではまず見かけないリザーブタンク方式です。
レトロ感溢れる構造ですが、実際に使ってみると意外と便利に運用出来ました。
この銃、マガジン内の弾を撃ちつくすとスライドストップが掛かるギミックが売りなのですが、厄介な事に、マガジン内に弾が残っている状態でも勝手にストップがかかってしまうクセがあります。
その都度、スライドストップを解除してやれば射撃は可能ですが、しょっちゅう誤作動するので面倒臭い事この上無いです。
個体差もあるとは思いますが、要注意ポイントですね。
威力はまずまずですが、エアコッキングで装弾数10発、おまけにスライドストップが誤作動するという状態ながら、定例ゲームのコッキング限定戦(コッキング式の銃のみ使用可のローカル・ルール)に投入してみました。
前述の通り装弾数が少ないのでひっきりなしにリザーブタンクからの再装填を行いながらの戦いでしたが、再装填自体は結構やりやすく、銃自体の集弾性は悪くないので、できるだけ肉薄してひたすらコッキング連射!戦法にて、相応の戦果を上げることは出来ました。
この性能なら、東京マルイのエアコッキングハンドガンとも充分に渡り合えると思います。
撮影の都合で陸上自衛隊装備になっていますが、出来るなら労農赤軍の政治将校の軍装を揃えて督戦隊をやってみたいですね。
トカレフは旧社会主義圏の軍装には大体合うので、ちょうど西側装備にとってのコルト ガバメントのような汎用性の高い銃として重宝します。