スプリングフィールド M1903A3 小銃 (S&T製・エアコッキング)

S&T製エアコッキングガン「スプリングフィールドM1903A3」です。

 

 

発売以来、定期的に再生産のかかっている、S&Tの定番商品です。

手頃な価格でリアルウッド、個体差はあるもののなかなかの実射性能で、コストパフォーマンスの高いボルトアクションライフルです。

 

 

購入したのは初回ロットで、現在流通している物とは塗装や一部素材が異なるらしいです。

 

 

梱包はS&T製品に共通の規格・構成です。

付属品は取扱説明書と保証書、乾燥剤が入っています。

 

 

機関部周りの質感は良い感じです。

マガジンは外して収納されています。

 

 

銃口付近の様子です。

グイっと押し込まれており、運搬時のクッション性を重視した箱の作りです。

 

 

取扱説明書です。

S&T製品共通のフォーマットで、サイズやデザインが統一されているのでコレクション的にも好印象です。

 

 

説明書は冊子型ではなく、1枚を四つ折りにした物です。

 

 

両面印刷で、操作に必要な説明が写真でわかりやすく記載されています。

 

 

「M1903A3」は、戦間期に採用された「M1903A1」を第二次世界大戦開戦後に増産のためにリニューアルした物で、生産効率を重視した改良がなされています。

 

 

外見上は照準器のデザインが全く異なる点が特徴です。

「M1903A3」は1942年半ばから制式化・生産がなされました。

 

 

機関部の様子です。

諸外国の同時期の小銃と比べても、特にメカニカルな印象です。

 

 

トイガンでは、ボルトの側面に安全装置があり、説明書の記載の通り、四角いパーツを上下させることで安全装置の作動・解除を行います。

 

 

実銃ではこのパーツは安全装置ではなく、「マガジン・カットオフ・レバー」です。

上にあげるとマガジンからの弾上がりをできなくし、1発撃つごとに弾を込める、単発銃として使えます。

 

 

レバーを下に押し下げるとOFFの状態となり、通常の歩兵銃のように弾倉内の弾薬を手動連発出来ます。

通常は単発銃として使い、火力を集中したい時(撃ちまくりながら突撃など)にレバー解除をするようですが、実戦で意味があったかは疑問です。

 

 

なお、実銃ではボルト後端のノブが安全装置となっています。

 

 

形状はドイツ軍の「モーゼルKar98k」に似ており、ほぼ同様の操作が出来ます。

トイガンでは可動はしますが、機能はありません。

 

 

機関部を上部から見た状態です。

ボルトハンドル付近に設けられたリアサイトが「M1903A3」の外見上一番の特徴でしょう。

 

 

「M1903A1」まではボルトより前方に、起倒式リアサイトがありましたが、「M1903A3」ではフリップアップ式の単純ながら機能的なサイトに変更されました。

 

 

リアサイトは手でつまんでスライドさせることで調節出来ます。

素材の摩擦によるクリック感があり、操作性は問題ないですが、薄い鉄板をプラスねじで留めただけの作りは安っぽい印象です。

 

 

画像ではわかりにくいですが、ピープサイトを抑えるクリック部分の鉄板は銀色で仕上げの違いに違和感を感じます。

現在流通している物では周囲と同じ黒塗装仕上げらしいです。

 

 

照準目線だと画像のような感じになります。

ピープサイトで照準器としては使いやすい印象です。

 

 

ボルトの操作は、馴染んでいないのか、少々引っ掛かるような感じで、若干重めです。

分解と手入れでかなり改善するような印象ですね。

 

 

ボルトの後退量は短めかな?と思います。

速射に向いているとも言えますね。

 

 

マガジンフォロワーの形状です。

 

 

レバー押すと開くことが出来ます。

 

 

専用マガジンを、奥のほうに収納します。

 

 

装弾数は25発です。

 

 

マガジンの取っ手の部分が見えると思います。

きちんと入りきると、カチッとロックされます。

東京マルイの「VSR-10」と比べるとマガジンの再装填は少々手間取りますが、外観を損ねずに着脱式マガジンにしたアイデアは高評価ポイントですね。

 

 

木製ストックは艶がなく、ガサガサした手触りです。

これは初回ロットに特有だったらしく、現在流通している物はS&Tの他製品と同じようなニス仕上げのようです。

 

 

トリガーガード周辺の様子です。

軍用銃らしい、飾り気のないデザインです。

 

 

トリガーガード前方の長方形の部分を押すと、マガジンフォロワー全体がスライドする感じで、ロックが解除されてマガジン収納内部にアクセスできます。

 

 

木と鉄の組み合わせが、武骨で魅力的です。

 

 

銃口周辺の様子です。

バンドと着剣装置のデザインが特徴的です。

 

 

主要パーツはほとんど金属製です。

黒く塗装されていますが、若干厚塗り気味なのは、いつものS&T製品という感じでしょうか。

 

 

フロントサイトはイモネジで固定されていますが、特に左右調節機能等はありません。

バレルとフロントサイトが別パーツなので、紛失には注意したいところです。

 

 

フロントバンド下部には、叉銃用のフックがあります。

「M1ガーランド」にも引き継がれた米軍スタイルですね。

 

 

フロントスリングスイベルの様子です。

 

 

バンド下部のねじを利用して、挟み込むように留めてあります。

隙間が大きくカタカタするのと、スイベル自体が薄くかくかくしているので安っぽい印象を受けます。

 

 

形状自体は実銃も似たようなものですが、ぐらぐらするのは破損の不安がありますね。

 

 

リアスリングスイベルは、打って変わって良い感じの質感と強度です。

同じ銃の部品なのにあまりに印象が違う為、違和感がありますね。

 

 

バットストックは金属製で、良く再現されています。

ツール収納用の丸い蓋も可動します。

 

 

「M1903A3」にスリングベルトを通してみました。

 

 

実銃でも使われていた革製スリングベルトのアメリカ製複製品を使ってみたのですが、フロントスリングスイベルに金具が通りません。

 

 

どうにか通せないかと斜めにしたり、滑らせるように通したりしましたが、サイズが完全に合わず、断念しました。

 

 

リアスリングスイベルにも通そうとしましたが、こちらは完全にアウトです。

 

 

参考までに革部分を通そうとすると、リアスリングスイベルは幅が狭いので通らず。

 

 

フロントスリングスイベルには通りました。

スリングスイベルのサイズが前後で異なるのですね。

 

 

仕方がないので、第二次世界大戦でも使われていたコットン製スリングベルトの取り付けを試してみました。

 

 

使用したのはKM企画製「M14&M16用コットンスリングベルト」です。

同型の物がM1ガーランド用として使われています。

 

 

前述したとおり、リア側のスリングスイベルの幅が狭いため、フック金具が引っ掛けられません。

 

 

スリング端面のカシメ金具はぐいぐい押し込んで、なんとか通せました。

 

 

規定とは逆の方向での取り付けなら可能のようです。

実際、この向きでの運用例はよくありますので、まぁ良しとしましょう。

 

 

フロントスリングスイベルには、フック金具は問題なく引っ掛けられます。

角の立ったプレス金具とフック金具の相性は決して良好とは言い難いですが、とりあえず使えればよし!

 

 

という事で、コットンスリングなら運用可能との結論に達しました。

実銃の運用時期も支給状況から1943年頃以降と推測されるため、組み合わせとしてはまぁ妥当かな、と納得しておきます。

 

 

こちらはHOP調節レバーの様子です。

HOPレバーはストックに溝が彫られており、露出したレバーを操作します。

レバーは樹脂製で、操作の際に粘りのある感触が若干気になりますが、現在ではHOPレバー自体が金属製に変更されているようです。

 

 

「M1903A3」の着剣状態です。

やはり歩兵銃に銃剣は似合いますね。

ただし、これは撮影用に銃の上に銃剣を重ねただけの状態です。

 

 

「M1903」と共に採用され、「M1ガーランド」にも受け継がれた「M1905バヨネット」のモデル品を使いましたが、着剣ラグのサイズが合わず取り付けられませんでした。

 

 

差し込もうとすると、画像の位置までしか入りません。

 

 

銃口リングのサイズはあっている為、着剣ラグを削り、すり合わせを行えば着剣は出来そうです。

 

 

「スプリングフィールドM1903A3」を装備した、第二次世界大戦当時のアメリカ陸軍歩兵です。

 

 

着装例はヨーロッパ戦線の夏季や、太平洋戦線のアメリカ陸軍歩兵装備です。

基本的に、寒くない時期はリードグリーン色の「HBT(杉綾織)作業服」を戦闘服として用いていました。

 

 

第二次世界大戦当時のアメリカ陸軍の編成では、狙撃銃仕様の「M1903A4」や、小銃擲弾手用にノーマルな「M1903A3」が配備されていました。

 

 

「M1ガーランド」による全歩兵自動化が印象的なアメリカ軍ですが、ボルトアクションライフルも戦争終結まで一定数使用されていたことが、当時の資料画像からも容易に確認できます。

 

 

HBT作業服姿を着用した姿は、日本の戦争映画に印象深い“緑色のアメリカ兵”のイメージであり、ヨーロッパでは1943年のイタリア戦線が思い起こされます。

 

 

被服はサープラスショップのエスアンドグラフにて購入した「M1943HBTユーティリティ」で、概ね1943年後半から終戦まで、そして朝鮮戦争でも夏季の戦闘服として使用された、息の長いアイテムです。

 

 

「スプリングフィールドM1903A3」は、モーゼルに範をとったスタイルでそつなく使える歩兵銃ですね。

実射性能も箱出しそのままでそこそこ使える印象で、サバイバルゲームでも活躍出来ます。

 

 

トイガンの話ですが、「M1ガーランド」の電動ガンと比べても細身で軽量なので、取り回しは良好で、疲れにくいので好印象です。

 

 

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