中国人民解放軍の「91式傘兵靴」です。
「傘兵」とは中国語で「落下傘兵」を意味し、この靴は空軍空挺部隊向けの「降下靴」になります。
「91式傘兵靴」は、旧式装備である「65式傘兵靴」の後継として開発された物で、同じくヘルメットも「65式傘兵ヘルメット」から「91式傘兵ヘルメット」へと更新されています。
1980年代から始まった、人民解放軍の近代化計画の成果の一つと言えましょう。
基本的には「65式」のマイナーチェンジ版と呼べる物で、時代相応の機能強化とデザイン変更がなされたモデルです。
この靴は中田商店で購入した実物デッドストック品です。
バックスキン製の靴と、クッション入り迷彩柄コットン製の胴のハイブリッド構造で、非常に頑丈に出来ています。
革は分厚く、硬めに仕上げられています。
降下靴は落下傘降下の着地時の捻挫防止のために足回りがガッチリ固められる設計が多いので、そのような配慮かと思われます。
靴紐と鳩目の形状です。
「65式」と比べ、一般的な軍用ブーツに近い構造・配置になっています。
迷彩布地部分は、クッション材が入っており、もこもこした厚みを感じます。
靴の内部は素材の革もそのままに仕上げてあります。
靴には中敷きが付属してあり、中敷きをしくと画像のような状態になります。
靴の内側側面にはサイズ表記があり、この靴は「25.5cm」です。
かかと部分は全体に革が使われており頑丈な作りです。
上部はベロ状に処理されており、靴を履く際のつまみとして使えます。
つま先はゴムのソール部分がめくれ上がるような形で接着されており、強度の確保と接地面へのグリップ力の強化が図られているようです。
靴底の形状は独特で、うろこのようなトレッドパターンになっています。
凹凸のはっきりした形で、グリップ力は高いです。
購入時は箱に梱包された、工場出荷状態の新品でした。
開封してみると、靴が綺麗に詰められています。
箱の中には、取扱説明文の記載された紙片が入っています。
また、専用の中敷きも付属しています。
薄いスポンジ質の簡素な物ですが、製造会社の心遣いがうれしいですね。