中国のスチールヘルメット ~ 中国人民解放軍 GK-80A ヘルメット・帽章塗装型 (実物)

中国人民解放軍の「GK-80Aヘルメット」です。

 

 

1980年代から普及しはじめ、2000年代辺りまで現役で使われていました。

最近は米軍スタイルの「QGF-03」ケブラー・ヘルメットへの更新が進み、第一線の装備としては、殆ど見ることは無くなりました。

 

 

ヘルメットには収納袋が付いており、使わない時は収納しておき、着用する際は折りたたんでヘルメットに入れ、クッション代わりにします。

 

 

収納袋自体は、何の変哲もない綿製の巾着袋です。

 

 

顎紐の取り付け状況です。

 

 

顎紐は取り外し式で、ヘルメット側のフックに引っ掛けて保持する構造です。

 

 

このフックは非常に外れやすく、決して使いやすい構造とは言えません。

 

 

顎紐はこのように4点支持になっていますが、これは若干新しいタイプで、中越戦争で使われた初期型は2点支持の(つまり単純な板紐)タイプでした。

 

 

顎紐のサイズ調整は、米軍のM1ヘルメット・インナーと同様のタイプです。

単純ですが、それなりに使いやすいです。

 

 

内装は第二次世界大戦当時のアメリカ軍のM1ヘルメットのようなハンモック構造で、ハチマキ部分に目の詰まったスポンジ素材が使われるなど、被り心地はなかかな良好です。

 

 

記録映像を見ると1980年代全般を通して、「GK-80A」が多用され、一部に「GK-80B」を見かけます。

赤い星型の塗装がされていますが、初期型では解放帽と同じアルミ製の立体型帽章を取り付けた例が多く見られます。

 

 

正面から見ると日本軍の九〇式鉄帽に似ていますが、側面からだと浅めのM1ヘルメットといった風情です。

 

 

真後ろからだと日本軍とも米軍ともソ連軍とも見える、なんとも和洋折衷な印象です。

 

 

真上から見ると長方形でM1ヘルメットに印象が近いです。

 

 

内装もM1ヘルメットの模倣といって良いレベルでよく似ています。

 

 

GK-80Aヘルメットには81式迷彩ヘルメット・カバーも用意されています。

81式迷彩服同様、両面リバーシブル迷彩となっています。

 

 

装着はカバー周囲にゴム紐が縫いこんであり、それでヘルメットのフチに固定します。

布面積に余裕が無い作りのため、綺麗に装着するには結構難儀します。

 

 

表面迷彩側です。

周辺に擬装の草木を差し込むループがあります。

 

 

裏面迷彩側です。

第二次世界大戦以来、世界的に普及した迷彩柄である「ダックハンター迷彩」「フロッグスキン迷彩」を模倣した迷彩柄です。

1980年代に採用された装備としてはいかにも古めかしく感じられますが、草地の少ない地面での迷彩効果は侮れない物があります。

 

 

実際に着用してみました。

 

 

手にしてみると、諸外国の物と比べても遜色無いクオリティですが、妙に重く感じます。(素材の違いかな…?)

 

 

まだまだ安価で手に入るスチール・ヘルメットですが既に生産は終了している事もあり、現在の市場流通品が枯渇すると一気に希少品になりそうなアイテムです。

 

 

【商品紹介】

同形状のヘルメットは民生品として現在も販売されていますが、内装や顎紐はナイロン製の全く異なるスタイルに変更されているので、外側から見える部分、顎紐は綿素材で自作するとよいでしょう。

「ポリカーボネート製 陸軍ヘルメット カモ柄」…グリーン2色迷彩の施された、ポリカーボネイト樹脂製の民生品です。内装、顎紐がナイロン製、プラ製バックルとなっており、近年の民兵部隊や二線級部隊向け装備の再現に適しています。

 

「中国人民解放軍 GK80 ヘルメット 鉄製」…シェルが軍緑色塗装スチール製の民生品です。内装、顎紐がナイロン製、プラ製バックルとなっており、近年の民兵部隊や二線級部隊向け装備の再現に適しています。

 

「中国人民解放軍 輸出用 GK80ヘルメット」…シェルは軍用の特徴がしっかり見て取れます。顎紐形状が異なるため、輸出向けと思われます。マット塗装の質感、外装形状等から、迷彩カバー無しで使用するなら一番に向いていると思います。

 

 

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