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中国人民解放軍の「78式軍服」です。
今回紹介する物は、陸軍の軍服で、軍官用の実物未使用品になります。
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「78式軍服」は、「65式軍服」の布地を綿から化繊へと変更したモデルで、1979年から支給が開始され、1983年に更新完了しました。
外見上の相違は殆ど無い為、中国本土でも、区別無くひとくくりに「65式軍服」とされている事が多いです。
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この服は軍官(指揮官)用の物で、士兵(一般兵)用と若干の相違があります。
異なる点はジャケットのポケットの数で、士兵用は2つですが、軍官用は4つあります。
1989年まで中国人民解放軍には階級制度が無かったため、軍服のデザインの僅かな違いをもって役職(“戦士”と“指令員”)を区別していました。
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襟は折襟式で、針金製の襟ホックが取り付けてあります。
また、襟には平行四辺形の領章を縫い付けてあります。
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襟に縫い付けてある「78式紅領章」です。
素材はスエード調の布で、硬い芯を包んであります。
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裏面にはガーゼっぽい質感の綿布が接着してあります。
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領章の主な目的は装飾用ですが、裏面には「部隊番号・姓名・血液型」の記載欄があり、認識票の役割もあります。
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胸ポケットはボタンが表から見えないように作られています。
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腰ポケットはボタンのない雨蓋付きで、見た目の印象は旧日本軍の「九八式軍衣」を彷彿とさせます。
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袖口はシンプルな筒袖です。
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前合わせのボタンは5個で、装飾性を一切廃した樹脂製ボタンが使われています。
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軍服の裏面の様子です。
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腰ポケットの袋の下部は、服側に板布で留めてあります。
軍服をデザインした人の、細やかな工夫を感じさせる作りです。
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胸ポケット裏側にはタグ・スタンプが押印してあります。
緑地に赤色で判読しづらいですが、「1983年製」と確認出来ます。
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ズボンは軍官用・士兵用ともに同型で、シンプルなチノ・パンツスタイルです。
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腰周りには、ベルトループが設けてあります。
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他国の戦闘服に見られるようなズボンの裾をまとめる機能はありません。
当時の資料画像でも、裾を絞ったりせず、そのままズック靴を履いて活動している場合が殆どです。
ただ、1979年の「中越戦争」では、ゲートルを巻いている兵士が多く見られます。
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ズボンの正面の様子です。
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前合わせは樹脂製ボタン留めになっています。
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ズボンには二箇所の物入れがあります。
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前合わせはジッパーではなく、4個のボタン留め式です。
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ズボンにも、ジャケットと同様のタグ・スタンプが押印してあります。
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ズボンの背面の様子です。
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尻ポケットはなく、シンプルな見た目です。