暑い!重い!痛い! だがそれがいい…~ 北ベトナム軍 ホー・チ・ミン・サンダル (実物放出品)

ベトナムでよく使われていた自動車のタイヤを切って作った手作り感漂う一品、通称「ホー・チ・ミン・サンダル」です。

 

 

私はベトナム人民軍装備として購入しました。

近年まで人民軍でも支給されていたようで、特にベトナム戦争中には物資不足の為、キャンバス製ゴム底戦闘靴以上に愛用されていました。

 

 

構造はタイヤから切り出したサンダル本体に靴底のトレッドパターンを彫りこんであり、足に固定する為の鼻緒部分も細く切り出したゴムを差し込んで作ってあります。

 

 

鼻緒部分は本体から出っ張っており、これがスパイクの役割を果たして地面へのグリップ性を高めています。

 

 

良く見ると、素材のゴムタイヤの刻印類が見て取れるのが面白いです。

 

 

実際に履いてみると、履き心地はまあまあ悪くないです。

ただ、自動車のタイヤだけに、結構重いです。

 

 

また、黒いせいか夏季にはやたら熱を持ってしまい、足の甲が熱くなってしまいます。

 

 

ただのゴムタイヤが素材なだけにソールのクッション性に乏しく、長く履いているとかかとが痛くなってきます。(特にアスファルト地面との相性は最悪です…)

 

 

サンダル履きでの軍服着用例です。

袖をまくって「ムゥ・コーイ(サンヘルメット)」を被った服装にサンダルは良く似合います。

 

 

「ホー・チ・ミン・サンダル」の発祥は古く、第一次インドシナ戦争中にベトナム中部地域の「ビン・チ・ティエン」で発明されました。

そのため当時は「ビン・チ・ティエン・サンダル」と呼ばれていたそうです。

 

 

「ホー・チ・ミン・サンダル」はベトナムで製造されていたのは勿論ですが、中国製も援助物資として供給されていました。

品質は中国製の方が優れており、兵士の人気も高かったようです。(このサンダルは現代製造されたベトナム製)

 

 

「ホー・チ・ミン・サンダル」は軽便ですが脚の保護には全く不向きで、戦時中の北ベトナム軍や解放戦線の兵士も足を怪我して破傷風に感染する怪我が絶えなかったそうで、サバイバルゲームでは戦闘靴への履き替えは必須ですね。

 

 

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