アメリカ陸軍の「M1956ピストルベルト」です。
画像の物は実物中古品です。
M1956ピストルベルトは、従来のM1936ピストルベルトにかわって採用された装備です。
制式名称は「M1956インディビジュアル・エクイップメントベルト」ですが、サープラス市場では慣例としてピストルベルトの名称で呼ばれています。
大きな違いとして、ベルトの調節金具が両端二箇所に増えた他、ピストル以外にもマガジンポーチなどの各種装備のベースとして使用する為、ピストルマガジンポーチ装着用のドットボタンが廃止されています。
また、バックルも基本構造は変わりませんが、より装着しやすいように先端形状が変更されています。
一方、こちらはベトナム戦争中に開発されたバリエーションのひとつ、「デイビス・バックル」タイプです。
このバックルはナイロン素材を使ったM1967ベルトで導入された物ですが、M1956ベルトの一部にも使われています。
デイビス・バックルはのちのクイックリリースバックルのさきがけのような装備で、通常のピストルベルトより着脱が容易な構造となっています。
バックルは、両方をクロスさせるようにして固定します。
クロスした状態でテンションがかかっていれば固定され、バックルの出っ張り部分を引っ張ると軽い力でリリースされます。
通常のM1956ピストルベルトと並べてみました。
バックル以外は同じ形状です。
実際に戦場に投入されたデイビス・バックルですが、不意に外れやすい等の問題が不評で、製造途中からM1956バックルに先祖帰りしてしまいました。
結果的に少数採用になった為、意識して探すと案外見つからない装備品になっています。(特に高価、というわけではありません)