アメリカ軍 M12ホルスター&M9用シングル・マガジンポーチ (ビアンキ製・実物)

アメリカ軍のM9拳銃用ホルスター「M12ホルスター」です。

画像の物は実物中古放出品です。

 

 

アメリカ軍では第二次世界大戦以来、朝鮮戦争、ベトナム戦争を通じて「コルトM1911A1」自動拳銃を使用していましたが、実のところ第二次世界大戦時で新規調達は終了しており、以後はオーバーホールを繰り返しつつ運用している状態でした。

 

 

そこで1980年代に新たに新型拳銃をトライアルすることになり、結果採用されたのがイタリア・ベレッタ社の「M92F」で、1985年に「M9」の名称で制式採用されました。

 

 

その際に専用ホルスターとして採用されたのがビアンキ・インターナショナル社製「M12ホルスター」です。

 

 

ピストルベルトへの装着はダブルフックともスライドキーパーとも異なる独自の物で、ワイヤーでベルトを挟み込む方式です。

この構造は、他にも「M16A2」アサルトライフル用の「M9バヨネット・シース」にも採用されています。

 

 

【ホルスター・ワイヤー開放手順①】

ワイヤーは通常はホルスターのフックに引っ掛けられています。

 

 

【ホルスター・ワイヤー開放手順②】

先端を指で押し込むと外れます。

 

 

【ホルスター・ワイヤー開放手順③】

外すとワイヤーを上に跳ね上げる事が出来るので、あとはベルトを挟んで逆の手順で固定します。

 

 

M12ホルスターは従来の革製ホルスターと異なり、ナイロンとプラスチック素材を多用した丈夫で軽量な造りとなっています。

 

 

側面にはクリーニングロッドを収納するスペースが設けてあります。

 

 

上部をドットボタンで留めてあるのがわかるでしょうか。

 

 

ボタンを外すとクリーニングロッドを引き出す事が出来ます。

 

 

クリーニングロッドを引き出したところです。

ホルスターにクリーニングロッドを装着する事自体は各国軍装備で見られる物ですが、内蔵式にしつつ取り出し易く作られています。

 

 

内蔵されているクリーニングロッドは硬質樹脂製で、多少の柔軟性があります。

大抵のクリーニングロッドは金属製ですが、樹脂製だと錆びないので手入れが楽で助かります。

 

 

ホルスター裏側には、前述したように独自設計のベルトキーパーがついています。

 

 

拳銃を収納するとグリップ部分が露出する作りは革製の「M1916ホルスター」と同様で、米軍らしさを感じさせます。

 

 

ホルスターの縫い合わせ部分の、ちょうど銃を収納する際にトリガーガード等が接触する部分には補強ブロックが内蔵されており、耐久性も充分考慮されています。

 

 

ホルスターの蓋はゴム紐の内蔵されたフックで固定されており、フックを引っ張る事でロックが開放される仕組みです。

 

 

中古放出品だと程度によってこのゴムがへたってしまい使い物にならない物もあります。

私の所有する個体は、収納されていた銃の形がわかる位よく馴染んでいる、使用感溢れる状態ですが、ゴム紐は柔軟性があり、まだまだ充分実用に耐える状態です。

 

 

蓋のフックはワイヤー製で、ホルスター本体・軟質樹脂製のスリットに差し込むように出来ています。

 

 

【ホルスター・フック開放手順①】

蓋の開放は、まずプラ製フックを引っ張ります。

 

 

【ホルスター・フック開放手順②】

伸縮性のある内蔵ゴムにより、フックが引っ張り出されます。

 

 

【ホルスター・フック開放手順③】

そのままフックを持ち上げれば、蓋を開放することが出来ます。

 

 

こちらは、M12ホルスターと共に採用された、「M9マガジンポーチ」です。

画像の物は実物中古放出品です。

 

 

素材はナイロン製で、M9および同クラスの拳銃マガジン1本を収納できます。

正式名称は「9㎜アムニッション・マガジンポケット」ですが、慣例的に“ポーチ”の方が耳馴染がありますね。

 

 

ピストルベルトへの装着は、スライドキーパーで行います。

小型の装備品ですが、コンパスポーチがスライドキーパー1個で保持されるのに対し、こちらは2個が並行に取り付けてあり、9㎜拳銃弾を15発装填したマガジンの重量に耐えるよう考慮した設計と思われます。

 

 

M12ホルスターとマガジンポーチでは、装着方法が異なるのが面白いところです。

 

 

M12ホルスターと違い、このマガジンポーチはビアンキ製ではなくアメリカ軍で開発された物のようで、ベルトキーパーの作りの違いもそこに要因があるのでしょう。

 

 

マガジンポーチのフラップを開けた所です。

 

 

構造は実にシンプルで、長方形の物体を収納する以外の機能は一切考慮されていません。

 

 

実際にM9拳銃マガジンを収納したところです。

画像のマガジンは東京マルイ製エアコッキングガンの物です。

 

 

マガジンポーチのサイズは、実物と同寸もしくは短めのエアコッキング用なら収納可能ですが、ブローバックガスガン用だとマガジンリップが突出している分、全長が長くなる為フラップを閉じる事が出来ません。

 

 

こちらは応用編で、東京マルイ製エアコッキング・ボルトアクションライフル「VSR-10」のマガジンを収納した所です。

 

 

VSR-10用マガジンはM9用マガジンと同程度のサイズで全長も短い為、収納する事が出来ます。

 

 

画像のように、フラップもしっかり閉じる事が出来ます。

 

 


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