中国人民解放軍の現用制式拳銃「92式手槍」の訓練用モデルガンです。
「92式手槍」は「QSZ-92」とも表記され、軍用のみならず、海外輸出もされています。
バリエーションには、「5.8㎜弾仕様」「9㎜パラベラム弾仕様」の2種類があり、人民解放軍用としては「5.8㎜弾仕様」が特殊部隊および人民武警向け、「9㎜弾仕様」が一般部隊向けに配備されている模様です。
以前は中国製ライセンス生産品のトカレフTT-33拳銃である「54式手槍」が使われており、現在でもたまに報道にて射撃シーンを見ることがあります。
「92式」は、名称から1992年制式と思っていましたが、調べてみると1994年に設計開始、制式化は1998年ごろで、最初の部隊配備は1999年12月20日、「マカオ駐留部隊」向けで、人民解放軍に普及しはじめたのは2000年代中盤以降のようです。
このアイテムはモデルガンと言っても実用向けの訓練機材なので、外見の再限度はそれなりで可動部位もトリガーのみ、実銃との識別のためか成形色も青色となっています。
必要ないため銃口も開口されていません。
一方、素材はプラスチックながら、中におもりが入っているようで、ずっしりとした重量感があります。
訓練用のため、重さも実銃に近いものと思われます。
ハンマーも一体成形のモナカ形状で、外見のみ再現されたものです。
ダミーでもいいので可動式なら遊び甲斐もあったのですが、その分価格も手頃だったので仕方ないですね。
トリガーにはクリック感があり、射撃時の操作感の練習になるようです。
この個体はネジ止めが緩く、トリガーがあっちこっちに移動してしまう為、しっかりと位置決めをした上で接着し、隙間にパテを盛って表面処理をしました。
ネジ止めされている別パーツ部分を分解してみて驚いた点ですが、トリガー部分にはプッシュ式ライターの着火装置に酷似したパーツが使われていました。
道理で、クリック感が使い捨てライターの“カチッ”という感触と全く同じです。
グリップにはチェッカリングと、星のレリーフが施されています。
五芒星があると共産主義感が増しますね。
セフティもモールド再現で可動はしません。
プラスチックのヒケが目立ちますが、装飾目的のアイテムではない為、仕方ないですね。
前述したように、バレルは開口されていません。
この見た目はちょっと悲しいですね。
もとより塗装前提で購入したので、すぐにモデルガン用スプレー塗料で仕上げました。
インディ製モデルガン塗料「ブラックパーカー」で塗装し、セフティのドットを赤く塗りました。
つや消し黒で塗装しただけの簡単仕上げですが、だいぶ見た目が良くなりました。
分解する必要もなかろうと、トリガーギミックの蓋部分はパテ盛りヤスリ掛けで仕上げ、ネジ穴もパテ埋めしてあります。
上からみると、フレームの薄さが判ると思います。
マガジンボトムはダブルカラムらしく、厚みがあります。
一体成形のハンマーも、塗装すると多少は見栄えするようになりました。
画像がぼやけていますが、照準を合わせた際の視界はこんな見た目です。
人民解放軍陸軍の林地迷彩装備と合わせてみました。
人民解放軍の歩兵部隊だと、拳銃持ちは小隊指揮官クラスです。
グリップは程よい厚みで、握り心地は上々です。
一見して特徴の無いデザインに見えながら、似た銃は他に無いという独特な形状です。
狙いが付けやすく取り回しも良いので、是非ブローバックガスガンとして商品化して欲しいところです。