アメリカ軍が1980年代から2000年代にかけて使用していたALICE装備のひとつ、「M16用 30連マガジンポーチ」の実物中古品です。
当初は「M1972」と呼ばれていましたが、「M1967」を含む各種装備品の中で継続使用される物については、1973年末に「ALICE装備」に統合されました。
その為、型式名称が「LC-1」に変更されています。
このマガジンポーチの正式名称は「LC-1 スモールアームズ・アムニッション・ケース」です。
米軍装備の中でも長く使われたALICE装備のひとつで、ガスガンが主力だった時代のサバイバルゲームでは、誰もが一度は使った事があると言っても過言ではないアイテムでしょう。
LC-1マガジンポーチを真上から見た状態です。
ALICE装備には初期型のLC-1、改良型のLC-2モデルがありますが、タグ表記以外の両者の識別点は残念ながら知識不足の為わかりません。
私の所有するマガジンポーチは、仕様の異なる二つのタイプが存在します。
LC-1マガジンポーチを真下から見た状態です。
底部には通気孔あるいは水抜き穴が設けてあります。
LC-1マガジンポーチを真横から見た状態です。
ポーチの両サイドには、手榴弾を収納する機能が付いています。
形状は、採用時期的にM67手榴弾に最適化してあるようです。
初期型にあたるLC-1マガジンポーチの最大の特徴が、マガジン1本ごとに設けられた内部の蓋です。
このタイプは資料によると海兵隊に1971年に限定採用された物で「使用に不適ながら、必要に迫られて調達した」ものが、そのまま1972年に制式採用され、1989年に廃止されるまで継続使用されたそうです。
クイックリリースバックルを外して蓋を開けると、更に内部に蓋があり、マガジンを覆っています。
内蓋はドットボタンで留めてあります。
右端の内蓋は側面にボタン留めしてあります。
中央のマガジンの内蓋は、隣の内蓋にボタン留めしてあります。
左端の内蓋は右端同様、側面にボタン留めしてあります。
左端の内蓋を開いた状態です。
全ての内蓋を開放した状態です。
内蓋を全て閉じた状態です。
がっちりマガジンを保持しており、まず脱落する事はなさそうです。
それだけにマガジンの取り出しは面倒でもあり、内蓋は早々に廃止されました。
そもそも何故こんなに厳重に蓋が設けられていたのかも謎です。
ナイロン製装備はもともと寒冷地用に開発されていたらしく、その辺りに理由がありそうです。
マガジンポーチをピストルベルトに装着した所です。
装着はM1956装備以来のスライドキーパー方式です。
M1956装備、およびナイロン化したM1967装備との一番の違いとして、サスペンダーへの連結方法があげられます。
これまでのマガジンポーチはサスペンダーへの連結ストラップが付いていましたが、ALICE装備からはマガジンポーチに直接サスペンダーを連結する方式に変更され、装着やサイズ調節が簡単になりました。
こちらは普及型のマガジンポーチです。
初期型との違いは内蓋が廃止された点くらいで、外見上は区別が付きません。
M16用マガジンポーチは実物放出品の他、レプリカ品も数多く作られており、現在でも安価で入手できます。
画像の物は実物中古品ですが、かなり使い込まれた物で、いい具合にくたびれています。
マガジンポーチを真上から見た状態です。
訓練、あるいは戦闘で実際に酷使された物らしく、エッジが擦れています。
こういう所がサープラス品の醍醐味ですね。
マガジンポーチを真下から見た状態です。
初期型同様、穴が設けられています。
マガジンポーチを真横から見た状態です。
両サイドに手榴弾収納用のポーチが設けられています。
ここにL型ライトを差し込んで携行することもできます。
プラ製のクイックリリースバックルを開ける様子です。
もともと寒冷地向けに開発されたバックルで、手袋をしていても確実に開け閉めできるよう作られています。
ポーチ内にはM16用30連マガジンが3本収納できます。
初期型と違い内蓋が廃止されており、見た目もすっきりしています。
ポーチ内側には型崩れ防止用プラスチックのインサートが入っています。
また、本来は細いナイロンテープで間仕切りがしてあるのですが、この個体では使用者によって切り取られてしまっています。
ちなみに、間仕切りがないおかげで、サバイバルゲームではM14用マガジンやMP5用マガジンも収納できるので、私は大変重宝しています。
両サイドの手榴弾ポーチにM67手榴弾を収納した状態です。
先細りの収納部に手榴弾を押し込み、フラップをボタン留めして手榴弾を保持しています。
M67手榴弾はサバイバルゲーム用アクセサリーの安価なプラスチック製モデル品を使いました。
最初はきつめで収納に苦労しますが、すぐに形が馴れてきます。
実用上は意味のないダミーですが、やはり手榴弾入りのほうが雰囲気が良いですね。