東西冷戦時代、社会主義圏の軍隊では殆どこれ一択!と言う程に普及していたのが「PM 中型自動拳銃」です。
「マカロフPM」の通称で知られ各国でライセンス生産されているこの中型拳銃、収納するホルスターも当然、各国毎に製造されているわけですが、そのデザインは似ているようで微妙に違う…。
そこで手持ちの各国製マカロフ・ホルスターを比較してみました。
本家たるソ連製のホルスターです。
側面にクリーニングロッド入れがついているのが特徴です。
チョコレート色の染色処理のされた革製ですが、厚みがなく、やや柔らか過ぎる印象です。
拳銃収納部の他に、予備マガジン収納部が設けられています。
他の2種と比較して、内側の革のザラツキが特に気になります。
樹脂製トイガンは収納した際にエッジの塗装が剥がれそうです。
中国製のホルスターです。
中国では「59式拳銃」の名称でコピー生産されています。
ほかの2種と比べると、ナチュラルレザーそのままの塗装されていない革の質感が特徴的です。
革は十分な厚みがあり、旧日本軍装備の複製品のような質感です。
内側にスエード調の保護布が張り付けてあるのが独特です。
派手な色とあいまって、エキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
銃の収納を考えると、一番安心できそうですが、しっかりした作りなので収納スペースに余裕が無く、マカロフ以外の拳銃への応用は難しいです。
東ドイツ製のホルスターです。
国家人民軍(東ドイツ軍)では、「PM(ピストーレ・マカロフ)」の名称でライセンス生産されており、外見上はグリップが黒色樹脂製になっています。
ほかの2種と比べ、ホルスターの収納スペースに余裕があります。
光沢があり、赤みの強い染色の革製です。
外見はなめらかな曲面でおしゃれな印象です。
一時期、最も安価で入手できる実物ホルスターでした。
それぞれ、予備マガジンの収納方向がまちまちなのが面白いですね。
比較してみた感じでは、汎用性・品質・価格の手頃さの三拍子が揃った東ドイツ製が特にお薦めです。
現在、KSCからマカロフPMのガスブローバックガンが発売されていますが、同クラスの中型拳銃としては、他にマルゼンのワルサーPPK/Sと、KSCのSIG P230(共にガスブローバック)が考えられます。
どちらも、頑張れば収納できなくもないでが、ワルサーPPK/Sはグリップに厚みがあるので強引にねじ込む思い切りの良さが必要です。(予備マガジンの収納はあきらめましょう。蓋が閉まらなくなります)
今回は手元に無かった為比較できませんでしたが、最近はチェコ軍の物も流通しているようです。
こちらは、ホルスターのデザイン自体もソ連型とはだいぶ違うようです。
チェコ軍のホルスターもいずれレビューしてみたいですね。
【商品紹介】
「マカロフ 本革製 ホルスター ランヤード クリーニングロッド付」…茶革製実物です。クリーニングロッドとピストルランヤードのついたフルセットです。