陸上自衛隊 集約チョッキ (PX品)

陸上自衛隊の「集約チョッキ」です。

官品ではありませんが、特殊戦闘向けに私物扱いで発注された物のようで、「第1空挺団」や「第12旅団」の一部で使用されたと聞きます。

業者が大量生産した余剰分が、一時期市場に大量に流通していました。(現在は、ほぼ見かける事は無くなりました)

 

 

一見すると米軍のTLBV(タクティカルベスト)のコピーのように見えますが、細部はかなり異なります。

デザインは左右非対称で、小銃弾倉を収納する為のマガジンポーチが4個と、大型のポーチ1個で構成されています。

「戦闘防弾チョッキ」の上に着用する前提で作られている為、かなりゆとりのあるサイズです。

サスペンダー部分にはクッション材が入っており、負担軽減への配慮が見られます。

また、チョッキのフチにジッパーがあり、中に地図を入れる事が出来ます。

 

 

自衛隊の官品では金属の亀の子ボタンが使われている蓋留めは、プラスチック製のクイックリリースバックルが採用されています。

マガジンポーチは胴の辺りに幅広のゴムバンドが縫い付けてあり、不意に蓋が開いても弾倉が脱落しないよう工夫されています。

米軍装備でも見られる作りですが、脱落防止に役立つ反面、マガジンの取り出し、特に収納時は入れづらいので不便に感じます。

 

 

各ポーチは内部がビニールコーティングされており、防水処理がなされています。

この集約チョッキ、当初は米軍のTLBVの独自解釈によるリデザインと思っておりましたが、ネットで調べた情報で推測するに、イギリスの軍用品メーカー「アークティス」製の「アドバンスド・チェストリグ」に酷似した構造で、デザイン面に於いておおいに参考にしたものと思われます。

総合的に見て(参考元が有る事もあり)デザインは良い感じに見えるのですが、実際に使ってみると細部に使い勝手が悪く、色々と「惜しい」印象です。

メディア露出が殆ど無かった事からも、早々に見切りを付けられてしまった(ゆえに民間市場に流れてきた)のかな、と推察する次第です。

 

 


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